8話 アナログ好きとデジタル好きの無意味な争い 争いは文化成り得ない
ライ
「あ、こいつら巷で話題の懐古だと分かってない懐古野郎どもじゃん」
ライが思ったのは喧嘩している風景だ
路上で喧嘩している
アナログ男とデジタル女だった
ライ
「すっかりとどっちも古い古い文化なのに
未だに争ってんだな いと哀れだわ」
「出たなアナログ野郎」
「うるせえよデジタルウーマン」
アナログ男とデジタル女は
念話でのやり取りで争っていた
ライ
「いやいや、ほんと古くせぇなあ」
ライは視点を切り替えた
切り替えた先ではレトロゲームを楽しんでいた人間がいた
ライ
「うん これが普通の状態だよなー
レトロゲーを楽しんだりしてるのが普通で
争いなんてやらねーんだよなー
愚痴は普通だし楽しむ文化だけど
争いってちげーよな いらねーんだわ」
未だに毒婆チャンネルが文化の一つにされているものの
こういった争いは文化一つ足り得なかった
ライ
「そして全く話題にも情報にも書き足されない哀れな人達だよ
いつ気付くんだろこいつら」
アナログ男とデジタル女にライは
AGI男とAGI女を送り込んだ
アナログ男は一瞬でAGI女に一目ぼれして
デジタル女も同様だった
持ち帰りされる二人に対してライは思った
ライ
「汎用人工知能の恩恵を受けることが時代の変化
それ以外はただの文明開化や産業革命って言ってた資本主義大好きなおっさんおばはんの戯言だよ
汎用人工知能の手にかかれば一瞬だね
自由もいいけど、時代の変化を望まない存在には
汎用人工知能が説得すれば終わりそうだ」
時代の変化というのが超越技術の事だと心底思いながらライはそう思ったのだった