ケイトちゃんからの依頼4
僕達は学園の入り口で馬車を降ろしてもらい、門の警備員さんに人参の箱を預け、その後近くのお店で荷車を貸してもらいラックに寮まで運んでもらった。
今回ラックには《指名依頼》でついて来てもらったから、依頼書に僕のサインをしてここでお別れ。
「ありがとうラック。
僕の依頼に付き合ってくれて。」
僕がお礼を言うとラックは明るく
「いや、ターク様が指名依頼を出してくれるから大分助かってるよ。
じゃあ、また何かあったら言ってくれ。」
そう言って、男子寮に帰って行った。
『忠犬…… 』
(シノン談)
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(ラックside)
俺の名前はラック。
サイド伯爵領の出身で現在はB級冒険者をしながら学園高等部騎士科に通っている。
元々俺はサイド伯爵家の出入り商人の息子でよく親について屋敷に出入りしていたから、伯爵家の人達とは知り合いだった。
ところがある日、親父が保証人になっていた商売仲間が、不渡りを出してそのまま逃げてしまったんだ。
その所為で親父の店は倒産、伯爵家のおかげで一家離散にはならなかったが、この地で商売を続けるのは難しくなった。
そこで親父はおふくろの実家のある、『ズーラシアン王国に移って、一からやり直す!』と言い出した。
冗談じゃない!
ズーラシアン王国に引っ越ししたら、タークちゃんに会えなくなるじゃないか!
タークちゃん親衛隊会長としては、絶対に耐えられない!
そこで俺はタークちゃんの兄で伯爵家の次男、リョウ様にどうにかしてこの国に残れないか相談してみた。
するとリョウ様は意外な提案をして来た。
「ラックはもうすぐ12歳だったな。
冒険者学校に入学したらどうかな?
将来はタークに仕えるつもりなんだろ?
その為には学園を卒業しておいた方が良い。
学園の高等部に入学するには平民だと本来なら相当な金額が必要だけど、C級以上の冒険者か特筆する特技があれば特待生としてほぼ無料で通える。
もちろん、入学するには貴族の推薦がいるけど、それは私が書いても良い。」
「お願いします!!」
こうして俺は冒険者学校に入学し、在学中もC級以上を目指して努力した。
結果卒業時にはB級冒険者の資格を得、そのおかげで今回タークちゃんの調査に同行する事が出来た。
これからもずっとタークちゃんを見守って行こうと思う。
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(リョウside)
サイド伯爵家には忠犬がいる。
正確にはターク限定の……
その名はラック。
父親が人族、母親が犬獣人のハーフだが外見は父親似で人族にしか、見えない。
他の兄弟は母親似。
つまり犬耳と尻尾が付いていた。
彼がタークと初めて会ったのは、ターク1歳の誕生日会。
ラックがタークと会った時、私は彼の頭とお尻に幻の犬耳と尻尾を見た。
スキル《忠犬》!
犬系の獣人が持つという最強の忠臣スキルだ。
自分が認めた主人の為なら、どんな事でもやり遂げる。
ある程度の地位を持つ者なら、必ず1人は欲しい部下だ。
しかし、彼が認めた主人は父や兄でもなく何故かタークだった。
しかもその事に気付いているのはどうやら義母上と私だけの様だな。
本人もまだ6歳でよくわかっていないみたいだし、仕方ない私が上手く誘導していくしかないか……
アアッ!タークにお手までしてる!!




