兎の恩返し1-3
臨時パーティーのタークさんと別れた僕は、再び天井裏を進んで立て籠りの現場の真上に戻り状況を確認する。
天井裏で見張りをしていたミケルが、ケイト様の飼い猫勇者シルバーの居場所を見つけてくれていた。
見当たらないと思ってたら、何と隣りの部屋の棚の上にいた。
なるほど、確かに良い隠れ場所だ。
薄暗い部屋の棚の上にいる、黒猫を見つけのは至難の技だろう。
隠れ場所としては良いけど、ドアが閉まっているんだけど大丈夫か?
タークさんから借りた携帯電話に衛兵隊から連絡が入り、突入作戦が決行される事になった。
廊下側のドアがそっと開けられ、人質のいる部屋に先行弾が投げ込まれた。
僕とミケルはタークさんから【特殊偏光グラス】を渡されていたので無事だ。
人質は項垂れて下を向いているか、目をつぶっていた人が殆どだったから、犯人以外で被害者は少ないと思う。
「「目が!目が~!!」」
あっという間に、入り口付近にいた大男と人質の見張りをしていた男は、突入して来た衛兵隊に捕まった。
残念ながら、リーダーの男は咄嗟に腕で目を庇ったらしく、他の2人よりはダメージが少ないらしい。
だが今ならリーダーの注意は衛兵隊に向いている。
ケイト様を救出するチャンスは今しか無い!
タイミングを見計らう為に穴から覗いていると、いつの間にか勇者シルバーが隣りの部屋から出てリーダーを狙っていた。
一瞬目が合い、阿吽の呼吸で僕は天井をぶち破り、全力でラビットキックを放った。
それと同時に勇者シルバーの猫パンチが炸裂し、リーダーはノックアウトされた。
たぶん骨の1本や2本、3本ぐらいは、複雑骨折だろう……
ケイト様は僕達の技が決まる寸前で、ミケルに救出され事なきを得た。
こうして、僕達の長い1日は終わった。
その後この事件で銀行は建て替えられる事になり、建築はケイト様の親戚の伯爵家が請け負う事になった。
因みに、強盗と内通していた銀行員の女はタークさんとケイト様の姉エリー様によって、衛兵隊に突き出され逮捕された。
捜査に協力したお二人は第二騎士団から表彰された。
僕とミケルも表彰式に呼ばれたが辞退した。
僕達はケイト様から受けた恩を返しただけだから。
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※1
サングラスもどき。
閃光弾の光も遮る特殊なメガネ。




