ユーノー
「ただいま!」
草の精霊スプライトを先頭に僕たちは、愛しのルシファー様の待つハリウッド孤児院に帰ってきた。
「止まれ!」
「ここから先へは通らせないぞ!」
僕の行く手をペリーヌとアナスタシアが阻む。
「行かせてくれ!? 僕はルシファー様に会わないといけないんだ!?」
どうしても僕はルシファー様に会いたかった。一目だけでも彼女の美しい横顔を見たかった。
「死んでから通れ。」
「おまえがルシファー様に会える確率は0パーセントだ!」
鉄壁の防壁の二人は僕を殺す気である。
「失礼しますよ。私たちは通してもらいます。」
精霊たちはハリウッド孤児院の中に入って行くことを許された。
「クソッ!? 身動きがとれない!? 僕は地球の神なのに!?」
中に入った精霊たちに期待するしかない。ルシファー様を外まで連れて来てくれ。
「ただいまです。ルシファー様。」
「おかえりなさい。スプライト。そちらはウンディーネと・・・・・・ハゲ鳥ですか?」
「あれでもサラマンダーです。」
「そうだったんですか。失礼しました。」
精霊たちとルシファーはハリウッド孤児院の中で会うことができた。
「ルシファー様、息子さんの容態はどうですか?」
「おかげさまで顔色が少し良くなった様な気がします。」
ベットでルシファーの息子のマイケルは眠り続けている。
「それは良かったです。」
「でも感知するには、まだまだ精霊のエナジーが必要ですね。」
「それなら大丈夫ですよ。」
「え?」
「みんながルシファー様の力になりたいと行列を成して待機していますから。」
行列の本当の理由は、ルシファーが怖いからである。
「まあ~! なんて素晴らしいんでしょう! 皆の助け合う気持ちが一つにまとまって、私の寝たきりの息子のためにエナジーを貰えるなんて! ああ~幸せ!」
今のルシファーは他人を疑う心を持っていないくらい、汚れ亡き乙女であった。
「私たちは、あなたが一番怖いよ。」
スプライトたち精霊は、無意識のうちにでも世界を統一してしまっているルシファーが怖かった。
「そろそろ、結婚準備をしなくっちゃ。キャッハ。」
ルシファーが無意識に言葉を切り出す。
「け、結婚!?」
精霊たちは氷の中に閉じ込められたように動くことができなくなった。
「子持ちの私と結婚したいだなんて、なんて勇気のある素敵なお方。うっとり。結婚の女神ユーノーにいつ結婚するのがいいのか、ウエディングプランを作ってもらわなくっちゃ。キャッハ。」
「世界が終わる日だ。」
つづく。




