ウンディーネ
「おまえのエナジーを寄こせ! 僕は地球の神であるぞ! ワッハッハー!」
僕は精霊のエナジーを求めて、草の精霊スプライトの友達の水の妖精ウンディーネを訪ねて水神様の祠にやって来た。
「いきなりなんですか!? あなたなんかにエナジーはあげません!」
もちろん水の精霊ウンディーネは、無意識に失礼な僕のことを快く迎えてくれない。
「酷い!? あんまりだ!? ガーン!?」
僕は手荒い水の精霊の歓迎に落ち込んでしまう。
「あんたみたいな失礼な奴は、便器に流されてしまえー!」
水の精霊にいじめられる僕。
「ストップー!!! もう止めてあげて!?」
「どうして止めるのよ!? もっともっと言ってやるー!」
「L案件ですー!」
ピクッっとウンディーネの動きが止まる。
「L案件って、あのL案件!?」
「あのL案件です!? エントの森やエルフの風の谷が滅んだ原因の、あのL案件です!?」
精霊界の精霊ネットワークでも噂のL案件であった。
「どうぞ。水の精霊のエナジーです。良かったら透明な純粋の清らかなミネラルウォーターも飲みますか? 竜神様のご加護もありますよ? アハッ!」
L案件だと知ったウンディーネは僕にゴマを擦ってきた。
「ありがとう。ウンディーネって、良い精霊なんだね。」
「良かったら、竜神様やダイオウイカ、クラーケンなんかも紹介できますよ?」
「いいの? ありがとう。親切なんだね。」
「滅相もありません! 忠誠を誓いますので、どうか命ばかりはお助け下さい!」
「命? 命なんか取らないよ。」
僕は水の精霊ウンディーネが何に怯えているのか知らなかった。
「困った。ペリーヌとアナスタシアは用事を頼んで留守だし。」
ルシファーはハリウッド孤児院で悩んでいた。
「私の息子のために精霊のエナジーを集めてくれているのに何も手伝わないというのも申し訳ないわ。」
自分の息子のために頑張っている僕のことを考えてくれていたのだった。
「アハッ!」
恋の病にかかったルシファーは初期症状で、ニタニタ一人笑いを始めた。
「ねえねえ、ルシファー様。」
「何? カスピル。」
「アースお兄ちゃんのことが好きなの?」
「え? えええええええー!?」
怖いもの知らずな純粋な子供の質問に、赤面して爆発するルシファー。
「そ、そ、そ、そんなことはありませんよ!?」
もちろん子供たちは遊んでいるだけだが、どこかの山が粉砕され、どこかの湖が蒸発し、どこかのお城が破壊された。
「アハハハハッ。」
例え神であっても、恋の前では盲目であった。
つづく。




