シルフ
「まずは友達から会いに行くです。」
僕とスプライトは精霊からエナジーを分けてもらうために旅に出た。
「あ! ルシファー様!」
ハリウッド孤児院の裏の森の精霊エントの元に、木の精霊ドリュアスに連れられてルシファーがやって来た。
「カスピル、ロロド、ヒャッキ、大丈夫ですか?」
ルシファーは子供たちを心配して迎えに来たのだった。
「はい。私たちは大丈夫ですが・・・・・・。」
カスピルは少しお淑やかにモジモジする。
「ですが?」
ルシファーには「ですが?」の意味が分からなかった。
「アースお兄ちゃんが、ルシファー様の息子のマイケルを目覚めさせるために精霊さんのエナジーを集めに行っちゃいましたー!」
「イエーイ! アツイ! アツイ!」
「ドンドン! ピュウピュウ! パフパフ!」
控えめにしていたのは演技で、子供たちは本性を現し、ルシファーを茶化すのだった。
「な!? 私の息子のために!? あのヘタレが!?」
予想外に赤面して、かなり動揺するルシファー。
「おお! ルシファー様に攻撃が効いている!?」
「それにしてもなんだ? このルシファー様の反応は?」
「俺には分かるような気がするな。」
「え?」
そう、今まで支配や破壊を主な活動としていて、いざ天界の神の座を手に入れたら敵がいなくなって暇すぎて退屈で、息子が意識不明になり人間になってしまったルシファー。
「告白されたのも初めて。男を意識するのも初めて。運よくアナスタシアとペリーヌに邪魔されなかったのも初めて。」
「あ、私も知ってる。ルシファー様を覗いたり、近づく男は1万人以上殺されたのを。」
「ハリウッド孤児院大虐殺事件ね。アースお兄ちゃんはへっぽこ過ぎて、ノーマークで助かったのね。」
ルシファーの周りには謎の伝説が多々ある。
「か、帰りますよ。」
「ルシファー様!? 右手と右足が同時に出てますよ!?」
「ああ~、動揺しまくっている。」
「明日は、街が10個以上は消滅するな。」
こうしてルシファーと子供たちはエントの元を去って行った。
「怖いもの知らずだな、子供って。」
エントは、いつ口封じで自分が殺されるのかと恐怖した。
「ねえねえ、ルシファー様。」
「なに? カスピル。」
「ルシファー様は、アースお兄ちゃんのことが好きなの?」
「キャアアアアアアー!?」
その時、一瞬でハリウッド孤児院の裏の森が消失した。森の妖精エントは行方不明になった。
「また、つまらぬ謎の伝説を作ってしまった。」
ひっそりと静かに暮らそうと誓うルシファーであった。
つづく。




