ヒャッキ
「ただいま! ロロド!」
「おかえり! カスピル!」
ハリウッド孤児院に帰っって来たカスピルは、友達のロロドと再会して笑顔で喜んだ。
「こらー! カスピル! どうして、おまえは、そんなに、方向音痴なんだ!?」
同じくハリウッド孤児院の子供ヒャッキは方向音痴のカスピルを怒る。
「だって、森の妖精さんが私と遊びたいって、誘ってくるんだもの。」
「それで迷子になったってことは、森の妖精に馬鹿にされているんだよ。」
「えー!? そうなの!?」
指摘されて初めてからかわれていることに気づくカスピル。
「どこまで純粋なんだよ!?」
ヒャッキは、そんなカスピルが大好きだった。好きが故に素直になれず、カスピルに食って掛かるのであった。
「カスピル、かわいい!」
「ありがとう。ロロド。」
ロロドもカスピルのことが好きで優しいく接するので、カスピルの好感度は高かった。
「こいつら子供かよ・・・・・・。」
僕は、何か悪い物を見ているような気持になった。
「あの、三角関係の子供たちを止めないんですか?」
「ハリウッド孤児院では、恋愛は自由です。」
恐るべし、ハリウッド孤児院。
「それにしても地球の神様が、どうしてこのようなハリウッドの外れにいるのですか?」
ルシファーは僕に質問してきた。
「実は、神でいることが嫌になったんです。」
僕は正直に心情を話す。
「神だ神だと言われながらも、地球の神は何の権限もなく、ただの雑用係のような扱い。人間は我儘で自分勝手で他人を傷つける嫌な存在です。今もゴロゴロだのモフモフだの宗教戦争を初めてしまった。もう嫌なんです! 地球の神をしているのが! もう地球何て無くなってしまえばいいのに! とすら思ってしまうのです。」
少し感情を荒げて僕は心の中を全てさらけ出した。
「気持ちは分かります。」
「え?」
「私も天界の神を投げ出したことがありますから。」
「あの、あなたはルシファー様なのですか?」
僕は思い切って尋ねてみた。
「いいえ。それは昔の私の名前です。様はやめて下さい。今の私は、ただの人間の女ですから。ニコッ。」
かつて唯一無二の絶対神ルシファーという神がいたが、今の彼女からは、まったく神という気配は感じられなかった。
「キュンキュン。」
それどころか憧れていた神が優しいお姉さんだったので僕の胸は高鳴った。なんだ!? この感覚は!? これが恋というものなのか!? 神として生み出された僕の初恋だった。
「見つけました! 僕の生きる道は、あなたです!」
僕は抑えられないキュンキュン衝動を、ルシファーに告白をした。
つづく。




