カスピル
「無事に逃げれたのはいいけど、どこに行こうかな?」
地球の神の座を捨てたアースに行く当てはなかったので見つからないように森を身を潜めながら進んでいる。
「冥界のハーデースを頼るか? いや、夫婦仲円満の中に邪魔をしたら、魂を抜かれて死んでしまう!?」
簡単に神の座は捨てることはできても、せっかくもらった自分の命は大切だったアース。
「なら魔王ネロの元へ行き、ネロの推し進める、モフモフ教に入教するからと言って匿ってもらうか? いや、モフモフ教はゴロゴロ教との宗教戦争を抱えているから、宗教戦争に僕が関わる訳にはいかない!?」
地球の神の座を捨ててもアースは地球の平和のことを考えている。
「やはりデミの元へ行くべきか? いや、臆病者のデミのことだ。僕の身柄を拘束して神の座に戻すはずだ!?」
アースは冷静に相手のことを分析して危機を察知していた。
「最後はブラピの所か・・・・・・絶対にダメだ!? クエストばっかりやらされる!? いや、クリスティーナならブラピの魔の手から僕を守ってくれるかもしれない。・・・・・・しかし天界に行く羽が僕にはない。」
地球の神といっても絶大な権力はなく、ただの象徴にしか過ぎない。地球の神は軍事権を剥奪されている。言ってしまえば、僕は、ただの普通の人間であった。
「ウエエエエ~ン!!!」
その時、森で小さな女の子が泣いている。
「迷子かな? お嬢ちゃん大丈夫?」
僕は優しく声をかけた。
「お家に帰る道が分からないの!? ウエエエエ~ン!!!」
やはり女の子は迷子だった。
「僕はアース。お嬢ちゃんお名前は?」
「カスピル! ウエエエエ~ン!!!」
女の子の名前はカルピス。いつまでも泣いているので可哀そうに思った僕は、彼女を家まで送り届けてあげようと思った。
「お嬢ちゃん、お兄さんがお家まで送り届けてあげよう。」
「ダメ! ウエエエエ~ン!!!」
しかしカルピスは僕の誘いを断る。
「え~っと、どうしてダメなの?」
僕は気を取り直して質問してみた。
「お姉ちゃんが、知らない人についていってはいけません! ついていったら食べられちゃうぞ! って言ってたもん! ウエエエエ~ン!!!」
「なんとしっかりしたお嬢ちゃんだ!?」
僕は思わず感心した。この小さな女の子にも、また彼女を教育した親御さんにも。
「カスピル!?」
きれいな女の人が現れた。
「お姉ちゃん!?」
どうやら、このきれいな女性がカスピルの家族のようだった。
つづく。




