クエストマスター
「やったー! これで天界の神の座は私のものだ! これで女神に戻れるぞ!」
邪神デーメーテールが女神デーメーテールに戻る時がきた。
「私の輝かしい瞬間をプライドさんにも見てもらいたかった。クスン。」
感極まり涙ぐむデーメーテール。
「それでは天界の神の座に着くとするか。」
デーメーテールが天界の神の玉座に座ろうとした時だった。
「ギャアアアアアア!?」
突如、どこからか飛んできたのか分からない剣圧によって、デーメーテールが倒された。
「何が起きたんだ!?」
邪神デーメーテールが倒されて、冥王軍に動揺が走る。
「私だ。」
「ハーデース様!? とクエストマスター!?」
現れたのは、冥王ハーデースとクエストマスターのブラピだった。邪神デーメーテールを倒したのは迷惑なブラピの剣圧だった。
「ヘカテー、無事で何よりだ。」
「はい。ですが我が軍は三審判が倒されるなど大損害を被っています。それより、ハーデース様は魔界と冥界の境に行かれたのではなかったのですか?」
「行ったさ。行ったからクエストマスターと一緒にいるのだ。なあ、我が友、ブラピよ。」
「ああ。同じ親戚に困っている者通し分かり合えたのはハーデースが初めてだ。」
義理父母に苦しむ男たちの厚い友情であった。
「良かったな。義理母は始末したから、ハーデース、おまえはストレス解放されたな。」
「今度はおまえの番だ。我が友、ブラピよ。」
「何か話がズレているわ。」
呆れるヘカテーだった。
「話を元に戻そう。魔王ネロ様の提案で、冥界、魔界、人間界、天界を一つの世界に統一してしまおうということになった。」
「4つの世界を1つの世界に統一するんですか!?」
「そうだ。既に冥界と魔界と人間界は統一されて、冥魔人界になって、境と垣根がなくなった。後は天界だけだ。」
残念なネーミングセンスである。
「少し疲れた。休ましてもらおうか。」
ブラピは椅子に座った。
「ダメー!? その椅子は!?」
そう、ブラピの座った椅子は、天界の神の玉座だった。
「パンパカパーン! おめでとうございます! ブラピ様! 天界の神になられました!」
「俺が神? アメリカン・ジョークだろ?」
「本当です。なんでも望がままです。」
「じゃあ、生きとし生けるものにクエストという試練を与えよう。全ての生きる者に運命を超える強さを得るチャンスを与えよう。」
これが神が人間に与えた運命という試練であった、とかなかったとか。
つづく。




