ベルフェゴール
「お待ちしておりました。ハーデース様。」
魔界と冥界の境に捨て駒として置いていかれた冥王ハーデースは、元祖、魔王7将軍の怠惰のベルフェゴールのお出迎えを受ける。
「出たな!? 魔王の手下め!? 冥界の未来は私が守ってみせる!」
ハーデースは軍事権は義理母デーメーテールに奪われたが、冥界を大切に思う気持ちは誰にも負けない。
「お待ちください!? ハーデース様!? 私は戦うつもりはありません!?」
「なに?」
「私は魔王ネロ様に冥王ハーデース様をご案内して連れてくるように言われただけです。」
怠惰のベルフェゴールは魔王の使い魔でしかないのである。
「それを私に信じろというのか!?」
「はい。私はゴロゴロ教の信者です。嘘はつきません。」
「なんと!? ベルフェゴール殿はゴロゴロ教の信者であったか!? 実は私も隠れゴロゴロ信者で、妻とゴロゴロするのが好きなのだ。ベルフェゴール殿の言うことを信じよう。」
恐るべし、ゴロゴロ教。果たして、いつからゴロゴロ教が布教したのやら。
「信じて頂きありがとうございます。それでは魔王ネロ様の元へご案内します。」
「よろしく頼む。」
ハーデースはベルフェゴールの案内で魔界と冥界の境を進んで行く。
「ところで魔王ネロ様はご健在か?」
「はい。元気ですよ。今は新たに冥界と魔界の境を迷い込んだ人間、悪魔などの難民たちのベースキャンプとして発展させています。」
「おお! 慈善事業というやつですね。素晴らしい。」
「今ではゴロゴロ教に続いて、モフモフ教という新しい宗教を布教されてますが、変り者の勇者カトリーヌ様の一族ぐらいしか好まないでしょうね。」
「モフモフ教?」
「ネロ様がモフモフしているので、大人気です。」
魔王ネロの正体とは、いったい何者なのだろうか。
「着きました。魔王ネロ様の御屋敷です。」
「城ではないのだな?」
「魔王城が壊れてしまったので、ネロ様のいる魔界と冥界の境を首都にしただけですから。」
「柔軟な発想だな。私も見習おう。」
冥王ハーデースは他人の意見を取り入れることができる良き冥界の君主であった。
「魔王ネロ様、冥王ハーデース様をお連れしました。」
「うむ、苦しゅうない。通せ。」
遂に魔王ネロが姿を現す。
「ぺ、ペルセポネー!? どうして君がここに!? まさか!? これは罠!? 謀ったな!? 魔王ネロ!?」
ハーデースは魔王ネロよりも、魔王ネロと戯れている妻のペルセポネーの浮気現場を目撃した。
つづく。




