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ハリウッド・クエスト 後編  作者: 渋谷かな
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プライド

「大丈夫ですか? こっちですよ。」

 幽霊は死んで意識だけになってしまったデーメーテールに手を伸ばして助ける。幽霊通しの助け合いである。

「ご親切にありがとうございます。あのお名前をお伺いしてもいいですか?」

「私はプライドと申します。」

 高慢のプライドは新しい魔王7将軍の1人である。

「プライドさん、ありがとうございます。私の名前はデーメーテールです。」

「知っています。元女神で、現在は司教様ですよね。」

「あらお詳しいんですね。」

「はい、これでも新しい魔王7将軍の一人ですから。」

 デーメーテールとプライドは黙って目と目を見つめる。

「はっはっはっはっは!」

 そして笑い出した。

「不思議ですね。私は守る側で、あなたは攻める側。出会い方が違えば、こうも親しく接することができるんですね。」

「本当ですね。元は女神と悪魔でも、一つの生命には代わりがないのですから。」

「ワッハッハー!」

 年齢や趣味趣向は違うのだが、デーメーテールとプライドは仲良くなれた。

「冥界には私の娘が冥王ハーデースに嫁いでいます。」

「ええー!? じゃあ、デーメーテールさんは冥王ハーデースの義理のお母様ですか!? 知らなかったとはいえ、失礼なことばかり言ってしまって失礼しました。」

「そんなに気を遣わないでください。そんなに私は偉い人間じゃないんですから。」

「そうですね。気楽が一番ですね。死んで一番思いました。野望や野心は身を滅ぼすと。」

「ワッハッハー!」

 二人が話ながら進むと早いもので、人間界を通り過ぎて、魔界にたどり着いた。

「あら? 簡単に魔界にたどり着いたのね。」 

「魔界も人手不足なんでしょう。ろくな人材がいませんからね。」

「何をおっしゃいます、プライドさんがいるじゃないですか。」

「私、死んでしまったので。」

「あ、そういえば私も死んでいました。」

「ワッハッハー!」

 デーメーテールとプライドは益々仲良しになっていく。

「さあ、もうすぐで冥界です。がんばりましょう。」

「そうね。冥界まで行けば、きっと娘婿がなんとかしてくれます。冥界の神が眠りと死を恐れることはないのですから。」

 眠りの神と死の神の弱点、それは冥府の神には勝てないということであった。奈落タルタロスから抜け出しても、また捕えられれば光の届かない生活が待っているのだった。

 つづく。

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