タナトス
「クックック。よくぞ、私を目覚めさせてくれた。」
スーパービアの体から何かが生み出されてくる。背中に羽の生えた有翼人だ。
「何者だ? 有翼人?」
「アーレス、貴様如きに私の存在が分かるまい。元神の分際で私に話しかけるな。」
強大な威圧感を放ち続ける有翼人はアーレスに対し上から目線で話してくる。
「答えろ! おまえは何者だ!」
「私か? 高貴な私の名前を聞いたら、貴様は死ななければいけない。それでも私の名前を聞くというのか? その度胸があるのかな?」
「死ぬ? ワッハッハー! 誰が、この軍神アーレス様を殺すというのだ! 今もおまえの入っていたスーパービアは、私に歯が立たなかったのだぞ。」
アーレスも有翼人のプレッシャーに負けないで強気で語り続ける。
「そうか、死を選ぶのか。それが貴様の選択なら応えてやらなければな。神として。」
「神だと? な? なにー!? この悍ましいプレッシャーは!? ま、ま、まさか!?」
解き放つ有翼人の強大な非情なオーラ。アーレスは神と聞き、何かに気づいた。
「我が名は、タナトス。貴様に死を贈る者だ。」
「タナトス!?」
なんとスーパービアの中に眠っていた神の正体は、死の神タナトスであった。眠りの神ヒュプノスの兄弟である。
「死ね! ギブ・デス!」
「ギャアアアアアア!?」
タナトスは一瞬で魂を抜かれて死んでしまう。
「元神如きが、神に逆らうからこうなるのだ。」
タナトスには偉そうなアーレスの声が聞こえていたのだろう。皮肉そうにアーレスの亡骸に言い放つ。
「おお! 目覚めたか、タナトス。」
「ヒュプノス。」
そこに兄弟のヒュプノスが現れる。
「無事に我々はタルタロスを抜け出すことができたようだな。」
「ああ、もう冥王ハーデースの顔色を伺いながら暗闇で暮らす必要もない。」
「そうだな。俺たちが天界の神になり陽の当たる生活を送るのだ。」
神であるヒュプノスとタナトスだが、思うことは人間と同じで日陰でひっそりと生きるのではなく、光の当たる世界で悠々と生きたかったのである。それがヒュプノスとタナトスの願いであった。
「全ての者に死を。」
「全ての者に永遠の眠りを。」
そして願うことは人間味があっても、己の強大過ぎる能力を持っているために、会話ではなく、手に入れたい物を暴力で奪い取ろうとしてしまう。
「いくぞ! タナトス!」
「おお! 残る元神も残りわずかだ!」
二人の兄弟の神はハリウッドの奥へと進んで行く。
つづく。




