グリード
(だから言わんこっちゃない。霊気、全開! スピリッツ!)
眠りについた俺の体から霊力が湧き出してくる。
「ん、んん。」
俺は目を覚ました。
「なんだ? 俺の体が何か見えないものに覆われている?」
(それは霊気だ。)
また幽霊の声が聞こえてきた。
「おまえは誰だ?」
(人に名前を尋ねる時は自分から名乗れ。)
「俺はアーサーだ。」
(俺は物欲のグリードだ。簡単に眠らされやがって、情けない奴らだ。)
「そういう、おまえも死んでるじゃないか。」
(バカ野郎!? 俺は倒された訳じゃないぞ!? 自分で階段から落ちて死んだんだ!?)
「俺、そっちの方が嫌かな。」
(悪かったな!)
俺は幽霊のグリードと打ち解けて仲良くなった。
(アーサー、グリードは素直じゃない性格だから、あんまり気にしないでいいよ。)
(そうそう。口をきいているということは、グリードはあなたを気に入っている証拠よ。)
(見えます。見えます。あなたに力を貸してくれるグリードの姿が。)
エンビ、ラース、ラストが俺にグリードを紹介してくれる。
(おまえらも死んだのか?)
(そうだよ。死んだのだ。)
(グリード、あなたもおいで。アーサーの中は面白いよ。)
(私たちは新しい魔王7将軍の仲間だ。)
(チッ、仕方がないな。俺は別に仲良しごっこするために仲間になるんじゃないぞ。ヒュプノスを倒すために力を貸してやるだけだからな。)
「それでもいいよ。おいで、グリード。」
俺は幽霊のグリードを仲間に加えた。
「それにしても俺だけどうして目覚めたんだろう?」
(そんなことも分からないのか? おまえはファントムのハリウッドを持っているから幽霊だ。幽霊は既に死んでいるのに、永遠の眠りにつく必要があるか?)
「ない。」
(だよな。)
俺がヒュプノスの眠りから助かったのは、元から幽霊だったことが大きい。
(俺のバリバリの殺意の霊気が刺激を与え、おまえを目覚めさせた訳だ。感謝しろよ。)
「ものの言い方が、なんか、ムカつく。」
俺はグリードの悪い言い方に素直に言うことを聞きたくなかった。
「そんなことを言っていていいのか? おまえの仲間はヒュプノスを倒さないと永遠に眠り続けたままだぞ。」
「ああ!? セーラ姫!?」
セーラ姫たちはヒュプノスのエターナル・スリープで目覚めることのない永遠の眠りに誘われていた。
「俺がヒュプノスを倒して目覚めさせます! セーラ姫、もう少しだけ眠っていてくださいね!」
俺はヒュプノスの跡を追った。
つづく。




