ヘルメース
「ワッハッハー! この色欲のラクサーリア様に戦いを挑む愚か者を退治しに行くとするか!」
魔王城を占拠して魔王になった筋肉ムキムキ・マッチョのラクサーリアが魔王の玉座から城の外に出ようとする。
「ん? 光? ギャアアアアアアー!?」
何らかの強大なエネルギーがやってきて、一瞬でラクサーリア事、魔王の城が消え去った。
「あらら? 久しぶりなのでカリッジの調整ができなかった。アハッ。」
伝説の勇者カトリーヌの超必殺技カリッジ・ブレーブ。魔王の城を吹き飛ばすぐらい朝飯前だった。
「カトリーヌ様! 俺たちを殺すつもりですか!?」
「あら? 無事に脱出できたのね。良かったわ。」
「良くありません!」
「カトリーヌおばあ様、カッコイイ。」
「死にかけたんだぞ!」
笑って誤魔化すカトリーヌ。強い者にうっとりキュンキュンするセーラ姫。これがハリウッド4姉妹の血筋である。
「ああ~! 私の城が! こら! 死にぞこない勇者! なんでおまえが生きているんだ!? 魔王城をどうしてくれるんだ!?」
魔王サタンはカトリーヌに食って掛かる。当時、魔王と人間の禁断の恋は、昼ドラ並みに困難を極め、許されない愛として魔物や悪魔は受け入れなかった。
「うちの旦那に貸してもらっていただけでしょ。なんなら、あなたも消してあげましょうか?」
「ぬぬぬぬぬぬぬ!?」
憤怒のサタンは知っている。勇者カトリーヌの実力と危険人物であることを。
「魔界の首都を変更します。新しい首都は、魔界と冥界の境を魔界都市とします。」
「勝手に決めるな! 私が魔王だぞ!」
「生きてんだけど。うちの旦那。」
「なに!? 魔王ネロ様が生きているだと!?」
魔王サタンたちは知らなかった。約100年、姿が見えなかったので、てっきり死んだものだと思っていた。
「早く行った方がいいんじゃない? 我が娘クリスティーナや、天界で神になった傲慢のルシファー。それに比べれば、サタン。あなた小物よね。不甲斐ない姿にうちの旦那は怒っていたわよ。ニヤッ。」
「ギャアアアアアアー!? 魔王様に殺される!? 直ぐにご機嫌伺に行くぞ!」
「おお!」
「待ってー! ロザリーが行くなら私も行く!」
元祖、魔王の7将軍とアロアは魔界と冥界の境に向かった。
「まったく成長しないわね。あいつら。」
呆れるカトリーヌ。
「大変だー!」
そこに元女神のヘルメース司教が慌てて駆けてくる。
「ハリウッド修道院が陥落しちゃいます!? 助けてください!?」
「なんだって!?」
人間界に危機が迫っていた。
つづく。




