認知症が進めば、薄らぐ悲しみ?いえ、きっと・・・壊れてしまう
昨日、相談員さん、介護士さん、栄養士さん、看護師でケース会議をした方です。
ここの所、不穏(>_<)、車椅子の方なのですが、立ち上がって転倒してしまったり、介護員さんに対して、暴言……「ぶっ殺してやる」等々……毎日のように、日報に上がってくるので、急遽、ケース会議が開かれました。
前から、時々夜に性格が豹変することが、特定の介護士さんにあったようなのですが、日中にも興奮してしまう(>_<)
「今、おかしくなっているよ」
と、報告を受けて、ホールに行ってみると、怒鳴り散らしている様子はすでになく、私達に、色々と訴えてきます。
「どうして、私は、嫌われるの?性格は確かにキツイ、でも、でも……」
と、震えていらっしゃいます・・・
お話は、流暢になさいます。昔の話を、克明に……。今のことも、それなりに合っていますし、気持ちも整理して話すことが出来ます。ただ、私たちには、それが、真実なのか、作り話なのか、そこの判断が付きません。
彼女には、三人のお子さんがいます。長男さんが近所に住んでいて、キーパーソン。二人の娘さんは、遠くに住んでいますが、電話で話をしてもらえるし、一人は、会いにも来てくれました。
彼女の願いは、ただ一つ。
「死ぬ前に、家に一度帰りたい」
です。
今は、それだけのようです。
彼女の思い出が詰まっている家は、脳梗塞によって入院してから、老健、そして、ここに入所と、一度も帰れず、今に至っています。全ては、置きっぱなし……施設に持って来たのは、数枚の衣服のみです・・・
「家の中を、見たい、持って来たい物もあるし」
に対して、
「家の前まで、車で行くことは出来るけれど、家の中に入ることは、階段があるし……車椅子では難しいよ」
「家に一晩でいいから、泊まりたい」
に対して、
「歩けないのだから、一晩も難しいよ」
と、相談員さんは、答えていました。
で、歩きだして、転倒・・・
まあ、それだけの理由ではないのでしょうが……
私達は、「そんなに家の中を見たいのならば、スマホで動画を撮って、見せてあげればいいじゃん!で、欲しいものがあったらば、持って来てあげれば?」
と、提案したのですが、却下(>_<)
そんなことをすれば、要求が、エスカレートしてしまう!らしいです(>_<)
なんか、彼女の気持ちもわかります。夏になり、「ああ、あの服着たいな~」なんて、フット思うこともあるだろうし、お気に入りの食器とか、写真とか……
ホントに、認知が進んでしまえば、そんな悲しみも無くなるのかな~苦しいのは、そこまで?
相談員さんに聞くと、彼女の家には、すでに長男さんとそのお嫁さん、海外の方が、住んでいるとか……
もう、彼女の私物は、処分されてしまったのかもしれません。
「死ぬ前に、一度でいいからお願いします」
「家に入れたらば、もう、死んでもいいから」
こんな訴えに、どう答えていいものか・・・
昨日のケース会議、問題とされているのは、介護員さんに対しての暴言。これが、他の入居者さんに対する暴力にまで、エスカレートする可能性について・・・
で、精神科受診して、薬を処方してもらえないか?というものでした(>_<)
薬でドローにして、その悲しみが治まるとは、考えられません。
「その薬を飲んだらば、嫌な事だけスッキリと忘れられるって言うのがあったらば、私も、飲みたいわよ、で、「あんた誰?」って、旦那に言うの!」
なあんて、意見が出て、大笑い・・・
家族間の問題は、根が深くて、複雑で、おいそれとは解決出来ないものでしょう。でも、このまま、ほっておいては、彼女の精神が持たない!
先ずは、兄弟間で話し合ってもらうしかないのかな~施設としては、移動の援助は、出来ます。ただ、精神科受診の為の……というものでないことを、願うばかりです。
「施設入所するということは、それまでの生活を捨てて来る事」
高齢者にとって、これは、あまりにも残酷なことのように、思われてなりません。全てを持ち込むことは、不可能ですけれど、少なくとも、物に対する愛着があるのならば、ゆっくりと選ぶ時間だけは、あってもいいかと・・・




