介護職に望むこと 2
45話、介護職に望むこと の、第二弾
前回は、津久井やまゆり園の事件の時に使われていた言葉「心失者」からの、話……でした。
介護している方々を、「心失者」、そう思ってしまう方には、介護現場の仕事はただただ辛いだけになってしまうと思います。
相手は、人間じゃあなくなってしまう。そうなると、感謝されることもない。心を失っている人なので、「ありがとう」と、声に出さないだけでなく、思ってもいないことになってしまいます。それって、介護していて虚しいと、思います。
まあ、心がねじ曲がってしまっている方とか、自分本位で可愛くない方とか、「はあ~」って言う行動をされる方とか、……方とか、……方とか、そういう方々は、いっぱいいますが、「心を失っている」とは、ちょっと違うと思うのです。
もう言葉を話せない方でも、こっちが勝手に
「あ、喜んでくれている!」
って、思える瞬間があれば、それで、報われます。
先日、家の紫陽花を切って、施設へ持って行きました。花瓶に生けると、お花好きの御婦人方が、
「季節よね~いい色だわ、持って来てくれてありがとう!」
と言ってくださいました。で、
「こんなにきれいに咲いているお庭ならば、お弁当持って、行きたいね~」
と。わ、わ、わ、わ、盛り上がってきたので、
「あ、ごめんなさい、もう蚊がいっぱいで」
と、お断りをしました。
外へ出るのは、遠足とかスウィーツ外出とかが何年かに一回、後は、入院するほどの状況での受診、そして、亡くなった時……
でも、こうしてお話をしていると、みんな笑顔になってくれます。それって、こちらもうれしいことです。
その紫陽花、胃瘻の方の点滴棒にも、括り付けました。春には、八重桜を飾ったそこに。
「今度は紫陽花持ってくるからね」
と、約束をしていましたので……
飾り終えると、いつもより、優しい声で
「あ~あ~あ~」
と、話しかけてくれて、じっと見てくれました!そう、そう感じたのです、勝手に……
いつも入浴の為にリクライニング車椅子に乗せられて、部屋からエレベーター前まで、
「あ~あ~あ~!!!」
が、ドップラー効果付きで、響き渡ります。
「ドナドナされていった」
と、表現しています……たまに表皮剥離されて帰ってきますし……
拘縮が酷く、皮膚も脆弱……仕方がないのですが……処置をしながら、
「やられちゃった?傷は浅いぞ!大丈夫、まかせなさい!」
なあんて、声を掛けながら、会話?を楽しんでいます。
という訳で、私は、どんなに忙しくても、報われる日常を送っています(*^-^*)
介護職の皆さんからしたらば、
「いい気なもんだな~」
と、なってしまうでしょうね。そんな、気持ちの余裕もないほどに、超忙しいし、ストレスの半端ない環境ですし、何しろ、重労働。だいたい、「介護職に望むこと」だなんて、上から目線!って、思われてしまったかしら…
そう感じられたらば、本当ごめんなさい、私達看護の仕事は、介護員さん達の協力なしでは、出来ません。介護員さんの気づきからの、看護です!
介護員さん、相談員さん、栄養士さん、調理や掃除や洗濯をして下さっている外部の方、看護師……そして、入所者さん、御家族、みんなで施設は支えられています!(施設長は……)
実は私、ごくごく最近まで、ただのおばさんでした。(今は、おばあさんかな……)
ですから?看護学校での勉強、すっごく面白かった!
「へ~」の連続です!……バンバンバンと、連続叩きまくり……
人体の神秘……すごく良く出来ています!
例えば、細胞が生きていく為の環境。温度とか、㏗とか、イオンバランスなんかを整える為に、何重にも、対策を講じています!
だいたい、人間はなんも考えずに食べて、飲んで…汗をかき過ぎたり、便秘したり……そんな中、健気にも、帳尻を合わせているのです!それって、凄くないですか?
こっちの器官の機能が衰えたらば、そっちで補うとか、そのチームワークのいいこと!
21話にも、少し書きましたが、ホントに凄いのです!
でも、いくら精巧に作られていても、取扱説明書通りに扱われなければ、壊れてしまいます、不具合が出てきます、そして、辛い思いをしてしまいます。
自己責任でやっちゃっている方は、仕方がありません。一応、それダメっていう、理由を伝えますが、難しいですね……喫煙とか、ゴロゴロ生活とか~(私も含めて)
でも、もう自分で考えることが出来なかったり、全介助の方々、その取扱説明書を護ってあげるのは、私達です!
人間の関節は、そっちに動きませんとか、排せつ物が皮膚にずっと付いていると、皮膚の持っているバリアが失われることとか……取扱説明書を知っていれば、防げるリスク、あります。
空気が通る気管と、食べ物が通る食道、首のどっちが前にあるか?
「え、ゴックンとすると、動くんだから、食道が前でしょう」
実は私も、そう思っていました。
だから、頭が後傾したまま食介すると、気道が開いて、もれなく、誤嚥するのです……
解剖生理、とっても面白いですよ。どうか、認知症や、入居者さんの心理と共に、身体の不思議にも、関心を寄せて頂けたらと、思います。それは、自分自身のことでもありますし、仕事上のリスクを回避し、「なるほど!」と、少しは仕事を楽しめることに、つながるかな~だといいな~と……




