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おばさん、行方不明になりました

 ショックと言うか、納得できないことがありました。

 近所のおばあちゃんが、いなくなってしまったのです。


 ご主人を亡くし、もう5年以上、一軒家で一人暮らしをしていました。

 息子さんが二人、結婚されて同じ県内に住んでいます。どうやら、お嫁さんと織が悪く、同居できなかったみたいでした。それでも月に一度ぐらいは、外食に誘ってもらっていたみたいです。


 90歳越え、デイケアに通いながらも、何とか暮らしていました。ほんの数年前までは、フラダンスに精を出して、貝殻のネックレスなんかして、お買い物に行っていました。会うと、おしゃべりが止まらず、「じゃあね」までが、大変でした。いつまでも、私のことを子供みたいにチャン呼びで……大好きなおばあちゃんでした。


 私が、順番で町内会の理事。その引き継ぎをした後、おばあちゃんが、家に来ました。

「町内会から、抜けたいんだよ、歳だし~」

と。

「入っていた方が、何かといいんじゃない?」

と言うと、

「ん~そういってもらうのは、嬉しいんだけれど……実はここから出て行くんだよ」

と、何とも寂しそうに話されました。

 私は、そろそろ独り暮らしは心配だからと、息子さんの家に行かれるのかと思いました。

「そうなんだ、寂しくなるわ」

と。

でも、そうじゃありませんでした。

「どこに行くか?私は、車で行ったから、よくわからないんだよ。でも、息子達が決めた所だから……」


 そう、施設入所が決まったのです!


 もう、決まってしまったことは、仕方がありません。今は、歩けていますが、それもいつまで大丈夫かは、わかりません。そう、同居出来ないのだとしたらば、施設と言う選択が正しい。だとしたらば、私に出来ることは?


「○○さん、おしゃべりが楽しいから、きっと、みんなに好かれるわよ!家に独りで、寂しい思いをしていたんでしょ、これからは、心配が少なくなるわね!安心して過ごせるわよ!よっかたわね~」

と、テンション高めで言いました……

 そして、

「どこに行くかが、わかったらば、教えてね、面会に行くから!絶対よ」

と、約束しました。


 仕事が続き、とうとう会えないままに、お引越しをされました。


 私の母が、車で来ている息子さんに会った時に、どこに行くか聞いたそうです。その時

「○○区」

それだけしか教えてもらえなかったとか……


 家のポストに走り書きのメモが入っていました。


「ごめんなさいね、家の庭のシャクヤク、あげるって言ったけれど、息子に言ったらば、そんな勝手なこと言うんじゃないって、叱られました。だから、あげられません」

って、書いてありました。施設名は、書かれていませんでした。

 ああ、「お庭をお世話する人が無くなるわね~」なんて言ったから、おばさん、シャクヤクあげるなんて……叱られたんだ……ごめんね……


「○○さん、施設に入ったらば、私はきっと、お友達がいっぱいできる、私ならば、みんなと上手くやっていける、楽しいだろうなーって言ってたよ」

と、近所の方から聞きました。


 そう思ってもらえたのは、嬉しいけれど、私の働いているような施設、ほとんど寝たきり状態、起きている方も認知症バリバリでは、おばさん辛いだろうな~


 結局、どこに入られたのか、不明……


 どうして、息子さん達教えてくれないのだろう?面会に友達が行っちゃっいけないの?どうして?


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