表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/299

ああ、特殊能力欲しいな~

  川崎転落死の元施設職員に、死刑が言い渡されました。

 新聞の記事に、鑑定医より、

「介護職は、被告にとってミスマッチだったのでは」

と、ありました。

 そうなのです、核心は、それなのです。と、えらく感銘を受けました!


 介護職員は、何も学校で優秀な人材でなくとも、いいと思います。ただ一つ、

「相手の気持ちを感じることができる」

これが、最も重要だと思うのです。

 なにも、テキパキと仕事が出来なくても、いいのです。かえって、さっさか歩いているような人では、高齢者のとりつく暇もありません。ゆっくりと話を聞くことも、出来ないでしょう。同じ空間に、同じ速度で寄り添える、そんな方が、いいかと……



 以前、こんなことがありました。

 食事前、ベッドから車椅子に移り、廊下に待機させられている方を、ホールに連れてこようとしていたスタッフが、医務室に駆け込んできました。

「血が、血が……」

見ると、小指から血が流れて、服が染まっています。もう、血だらけで、傷が見えません。水で洗うと、悲鳴を上げられました。ぱっくり裂けています。肉が、見えています。

 とても自分で作った傷ではありません。車椅子を自走出来ないし、手も、ほとんど動かせません。

 なんとか止血して、車椅子を調べてみると、横から乗せるために、上にあげられるようになっている肘掛けの、座面にめり込む突起と、それがはまる穴に、血液がついています。発見された時、その肘掛けは、はまっていないで、少し浮いていたそうです。

 すなわち、移乗した時、手の位置を確認しないで、肘掛けを降ろして、小指を挟んだ、いえ、つぶしたのです!

 洗う時、悲鳴を上げられました。きっと、挟まれた時も、声を上げたことでしょう。それなのに、肘掛けを上げて、その場を離れた、傷ついた人を残して……

「あ、やっちまった、ヤバい」

で、なかったコトにって、誰が移乗したかは、わかることです。

 その本人に、状況を聞くと、

「手の位置を確認して、それから、肘掛けを下ろしました」

と。でも、

「なんで、下ろしたという肘掛けが、上がっていたのですか?」

と、質問されると、明確な答えが返ってきません。


 やってしまったことは、元に戻りません。何かに気を取られて、注意が足りなかった。そういうことでしょう。問題は、そこからです。相手のことを考えられれば、悲鳴を聞いたのならば、なんとかしてあげたい、ひどくならないように、一刻も早く治療をって、考えるはずでしょ。それがこの人の頭には、浮かばなかった。罪に問われるのが、怖かったからか、ただ、面倒だからなのか……

 別に普通の人でした。そんなひどいことをするようなタイプには、見えません。やや、コミュニケーション能力に問題はあったかもしれませんでしたが、悪い人では、ありませんでした。他の職業ならば、それほど問題にはならなかったのかもしれません。

 彼もまた、ミスマッチ、介護職に就くべき人では、ありませんでした。



 私は、「血を分離して、私達は、血清になる」という、小説の中で、人の心を読める、又は、感じることの出来る人だけを集めて、高齢者施設を立ち上げました。それが、入居者さん達にとって、最良の環境、心地良い「家」になると思ったからです。


 脳梗塞の後遺症で、言葉が不自由になった方でも、認知機能が低下した方でも、意思をくみ取ってもらえます。コミュニケーションが取れるということは、どんなに素晴らしいことでしょうか。痛い・痒いを気付いてもらえる。真に、寄り添ってもらえるのですから……

 快、不快は、どんなに認知症が進んでしまった方でも、感じていると思います。悲しい思いをしないように、少しでも快適に過ごしてもらいたい。その為には、気持ちを察することが、知ることが必要です。


 暴言、暴力を振るう人、ナースコールを鳴らしっぱなしの人、全ての行動には、理由があるはずです。とてもイライラしてしまう、不安で不安でたまらない。そう感じている、その理由があるはずなのです。

 それを、上手に表現出来ない。伝えることが出来ない。わかってもらえないから、ますますヒートアップしてしまう……

 たとえば、便がそこまで来ているのに、出せないでいる。とても不快で、じっとしてなんか、いられません。

 たとえば、どこかが痛かったり、痒かったりで、一晩中よく眠れなかった。イライラもしますし、何もやる気になりません。

 それが、読めれば、対処してあげられれば……少しは穏やかに過ごしてもらえるかもしれません。


 「心を読める」という、特殊能力は、難しいとしても、察することは、普通の人でも、出来ると思います。まず、相手に関心を持つ。何が好きなのか?どうしたいのか?どんなことを喜ばれるのか?そして、関わろうとする。話しをするのは、もちろんのこと、触れる。


 今の介護施設は、人員不足で、仕事の早い人が、出来る人になっています。本当は、しっかりと関われる人が、いいのですが……仕事をサボって、無駄な動きをして、なんか楽しそうにやっていると、見られてしまうようです……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ