第五話 平定と、救済への決意
キャティシアの姉、ジェラルディーン・フラウロス。敵の首領といえる彼女の実力は、先刻レエテが感じたとおりサタナエル将鬼と同格かそれを超えるほどの人外のものだ。
だがそれでも――レエテ・サタナエルという頂点の存在にかかっては、赤子も同然だった。
「“裡門”!!!!」
ゼノンが得意とした肉弾技をもって攻め込む、ジェラルディーン。全身を弾丸のように打ち出しての肘の超強撃だ。
高芝ごと大地を削り取る、あまりの突進の衝撃に土煙がもうもうと立ち上がる。まともに当たれば鉄の城門ですら風穴を開けるであろう一撃。しかし、土煙が晴れた場所で展開していたのは――。
何とジェラルディーンの肘を片手で包むように掴み、突進を易易と止めたレエテの姿だった。
「なっ――!!!!」
驚愕に白い貌をさらに白くして、必死の前蹴りで敵の手を振り払って後退する、ジェラルディーン。
レエテは悲しみに満ちた表情で、つぶやく。
「分かった、でしょう――。あなたは、決して私に勝てない。
今この戦場に居るシェリーディア・ラウンデンフィルにも、この後駆けつける私の夫シエイエス・サタナエルにも。
お願いよ――グルガンともども、おとなしく投降して。私が、皆を説得して、何とか死刑を回避すると約束するから――」
「ふざけるな!!!!! 貴様に情けをかけられる位なら、自ら死を選んだ方がマシだ!!!!!」
そう叫び、レエテの背後から襲いかかるグルガン。
かつての父の腹心と同じジャマダハルを操る彼の強撃をも、目を向けることなしに難なく弾き飛ばしたレエテ。さらなる悲しみを眉間に漂わせながら、二人同時を相手にする戦闘体勢に入っていったのだった。
そしてドミナトス=レガーリア連邦王国将軍、ムウル・バルバリシアは――。人質救出を果たしたことで堰を切ったように攻めの姿勢に転じていた。
「おおおおおらああああ!!!! てめえらあああ!!!! よくも、ウチの大切な次期国王陛下を囚えてくれやがったなああ!!??
ホルストース兄ちゃんや、キャティシア姉ちゃんを殺しやがった外道の集団が!! このムウル様は、てめえらに容赦はしねえぜええ!!!!」
殺気を爆発させ、“アレクト”を抜き放つムウル。馬上から跳躍し、敵前に降り立った彼は、猛烈な風を伴う水平斬りで、馬を横に薙いだ。
肉片と血に姿を変えていく、数頭の馬たち。それに両足ごと切断された戦闘者たちも、地面を転げ回って苦痛の叫びを上げる。
大量の血を被り、元々赤い髪の毛はもとより、貌から身につけた鎧から全てを真紅に染めた地獄の鬼のような様相で、さらに斬り進んでいく。アダマンタインで形成された地上最硬の剣アレクトと打ち合える武器はなく、防げる盾も鎧もない。
かつてはキャティシアの背にも及ばない小柄な少年だった彼は、今や身長195cm、体重105kgという戦士としてあまりに恵まれた体格に成長。その圧倒的な筋力と攻撃性、センスを買われてソルレオンのお気に入りとなり、レガーリア地域随一の出世頭として国内外に名を轟かせていたのだ。
サタナエル兵員や副将クラスのはずの戦闘者を破竹の勢いで撃破していくライバルに負けじと、エストガレス王国東部方面師団長、ジャーヴァルス・ドマーニュも進撃を開始していた。
「“氷樹針突殺”――!」
詠唱とともに、振り抜いた二刀流の剣から目に見えぬほど鋭利な氷の針を無数に打ち出す、ジャーヴァルス。針は再生のサタナエルの戦闘者たちの眉間、もしくは喉を貫通しての頚椎を正確に打ち抜き、一瞬で絶命した10人以上の敵を静かに落馬させていく。
そして、斃した敵の屍を踏み台に鮮やかに跳躍し、空中を舞うように剣を旋回させる。
氷雪魔導をまとった剣は、相手に血を流させることもなく、鋭く肉体を分断し続けていく。
ムウルとは正しく対照的な戦法を用いる、魔導戦士の彼。
ムウルとともにオファニミスを異性として幼い頃から慕い、奪い合う間柄だが、次期王国元帥との呼び声も高いジャーヴァルスはより彼女の夫に近い位置にいると云われている。
サタナエルに対しては、彼の家を破滅に追いやった伯母サロメが君臨した組織として、ムウル同様に穏やかではない胸中でいるのは確かだろう。
しかし――快進撃を続けるムウルの前に、凄まじいスピードで懐に入る2つの影があった。
両側から、「蹴り」と「拳撃」を繰り出してくるそれらの攻撃は、寸前で辛うじて受け身をとったものの内臓に確実にダメージを与えていた。
「ぐっ――ふおおお!!! 畜生お!!!!」
悪態をつきながら必死でアレクトを薙ぎ、後方へ逃れるムウル。それを見て、すかさずジャーヴァルスが場へ駆けつける。
「ムウル!!! 大丈夫か!?」
並んだ若き戦士二人の前に展開するのは――。
やはり、サタナエル一族の強者、マリーエンヌとラクシャスだった。
サタナエル一族の生まれながらのずば抜けた身体能力は、通常人として別次元の強さを誇るムウルをもってしても、上回られるレベルのものだった。
ましてや――。二人の敵の背後には、さらに彼女らの仲間であるサタナエル一族女子8名が展開していた。再生のサタナエルの大多数の戦闘者たちを撃破したムウルとジャーヴァルスにも、流石に勝ち目はない。
それを確信したマリーエンヌが、口を開く。
「レエテの犬どものお前たちには、早々に消えてもらうよ。いや、あるいは――新しい人質になってもらうのも悪くはないねえ」
ムウルが、これに言葉を返す。
「目え覚まして、くんねえかなあ――。俺達はあんたらを、死なせたくねえ。嫌がるかも知れねえがあんたら一族は特別な存在で――。今回も悪意ある奴らに利用されただけだ。レエテ様も苦しんでるとおり、今はどうしたらいいか分からねえが――。必ずあんた達一族が大陸で安らげる日は来るし、俺もそれに全力で力を貸してえと思ってるんだからな」
「レエテはそう云うばかりで、刻々と寿命の迫るあたし達をアトモフィスに隔離し続けた。我慢できなかったんだよ、あたしもラクシャスも――。移り住みたかったんだ、中原に――。豊かな大草原に。ただそれだけなのに。強制だけの指導者なんざいらない。サタナエルから解放されたあたし達に必要なのは――真の自由だ!!!」
その叫びとともに、ムウルとジャーヴァルスに一斉に襲いかかろうとしたサタナエル一族10名の、動きは――。
動作を開始することなく、突如として完全に凍りついた。
手足だけでなく、貌の表情も凍りついたマリーエンヌの頭部は――。
鼻の位置で、横一閃に赤い筋が走ったかと思うと――。
そのまま、脳を含めた上の頭部が、地面にずり落ち――。
鮮血とともに、身体を崩れさせていった!
一族10名、全員が同時に。
その空間に漂っている、鋭い白刃をもってうねる――変形した大量の「髪の毛」が、その驚異の現象をもたらした人物の正体と技を、明らかにしていた。
「シエイエス――兄ちゃ――ああああ、いやいや、シエイエス様!!!」
安心感からか思わず子供時代の呼び方をしてしまい赤くなったムウルの前で、蛇のごとく展開した変異魔導“蛇王乱舞”を解除して髪の毛を戻す――。アトモフィス自治領宰相シエイエス・フォルズ・サタナエル。
現在33歳の彼は、若者の雰囲気が抜けて精神性相応の貫禄を身に着けてきていた。
彼の肩に止まる、シェリーディアの魔導生物ザウアーからの導きを受け、絶好のタイミングで駆けつけることができたと見えた。
彼の表情は――眼鏡の奥で、深い悲しみに陰っていた。
そして、マリーエンヌとラクシャスを見つめていた。全員見事に脳を失い戦闘不能にはなったが頚椎は無事であり、サタナエル一族ならば死ぬことはない。
「なぜだ――どうして、分かってくれなかったんだ。マリーエンヌ……ラクシャス。
俺達の力不足は申し訳ないと思っているが、サタナエル一族の、宿命は動かすことが、できないんだ。何世代か、時間をかけて――解決策を見出さなければならないんだ。
――いいや、こうなった以上は、そんな悠長な考えも俺たちの独善でしかないのか……」
ジャーヴァルスが、憐れむように義理の従兄に呼びかける。
「シエイエス様……」
「ともかく――お前たちが無事で、良かった。ジャーヴァルス、ムウル。
戦いで疲れているところ済まないが、マリーエンヌ達を厳重に縛ってくれるか? 早くしないと再生されてしまうからな。
俺は、レエテの元に向かう。きっと――もう片が付いているだろうが」
一方、レエテ対――ジェラルディーンとグルガンの首謀者2名による戦いは、シエイエスの見立てどおり、すでに決着が付いていた。
サタナエル将鬼クラスであるはずの彼女らは――レエテ一人に文字通り手も足も出ず、動きに全くついて行けず、何もさせてもらえなかった。異次元の動きで両足の腱を深く切られ、グルガンに至っては強硬に抵抗したために勢い余って背中を斬られていた。いずれにもせよ、全く本気を出さずして静かに佇むレエテの前で、2人は完全に戦闘不能に陥っていたのだ。完全に、レベルの違う手の合わぬ戦いだった。
「ぐっ……この……この……化物がああ……!!」
無念の叫びとともに歯ぎしりする、グルガン。レエテは苦悩の表情で、2人にもう一度語りかける。
「もう、勝負はついた。お願い。おとなしく、このまま囚われて……。
裁きさえ、受けてくれれば私が取り計らう。そして、私があなた達にできる償いについて、話し合わせて――」
「何度も、云わせるな……そのような辱めに会うぐらいなら……俺はこの道を、選ぶ!!!!」
止める暇も、なかった。グルガンは懐に密かに忍ばせていた短刀を心臓に深々と突き刺した。
「――!!!」
ジャマダハルを叩き落としていたと思って油断した。即死したグルガンは血の池の中にその身を鎮め、動かなくなった。
レエテはジェラルディーンの貌を見た。法力使いである彼女は、武器を奪うことができない。自死を選ぼうと思えば、グルガンよりもたやすい条件であるのだ。
ジェラルディーンは――敗北を受け入れ、観念したように邪悪な笑みを浮かべた。
「レエテ……貴様はめでたく、敵対勢力の鎮圧に成功した。話し合いではなく、『力ずく』でね」
「……!!!」
「分かるかしら? 貴様のやったことは、サタナエルと何一つ、変わっていないのよ? 秩序を守るために、暴力を行使してねじふせたという点においてね。
確かに、外面は、優しく無害で、平和をもたらした英雄にふさわしい。サタナエルとは天地の違いに見えるでしょう。けれど、だからこそより、質が悪い。貴様はこれから先の将来、どうしていく積もりか考えているのかしら? 自身という異次元の化物を含めた、アトモフィスとボルドウィンという歪な暴力装置の扱いを。マリーエンヌ達も含めた、サタナエル一族についても。これらはかつてのサタナエルと、大陸とのパワーバランスの点において何か変わるところがあるのかしら?
危惧しているとおり、通常人にとっては脅威でしかない力や能力は、暴力として行使する意志がなくても潜在的恐怖として残り続ける。貴様らがおとなしくしていても、血を受け継いだ次世代は? さらにその後の世代は? どこまで、続くのかしらね。今のような平和を僭称した欺瞞というものが。
私は、地獄の底から高みの見物をさせてもらうわ。貴様が構築した、胸糞悪いこの秩序の崩壊の時をなああ!!!!」
刃のようなジェラルディーンの口上に動揺し、視線をさまよわせたレエテは、完全に、不意をつかれた。
ジェラルディーンは、血破点開放の恐るべき筋力を行使して腕と背筋だけで跳躍し――。
呆然とするレエテの左腕に組付き、そして――。
先端の、結晶手で、己の心臓を、深々と貫かせたのだ!
「あ……あ……あああああ…………」
わなわなと恐怖に震えるレエテに対し、至近距離で凄絶な笑いと眼光を突き刺すジェラルディーン。
そのまま彼女は、胸の前後から血を噴出させて――。
絶命した。
「あ、あれは――。あの、『状況』は!!」
駆けつけた夫、シエイエスは、レエテの結晶手に突き刺されて死んでいるジェラルディーンの姿を見て、貌を青ざめさせた。
それは、紛れもなく――レエテの母にして姉、復讐の始まりとなった最も大切な存在――。
マイエ・サタナエルの最期の姿、そのものだったからだ。
それを知る敵は、あえて同じ状況を狙って創り出したのだ。
ましてやジェラルディーンはそれに加え――キャティシアにきわめて良く似た容姿を持っている姉だ。
これこそが、ジェラルディーンの最後の狙いにして復讐――レエテに深すぎる、心をえぐりとるトラウマを植え付けること。
まさにそれが的中し、ショックの余り涙を流して震えることしかできないレエテに、すぐさま駆け寄ったシエイエス。
すぐにジェラルディーンの身体をレエテの結晶手から引き離して横たえ、レエテの肩を掴んだ。
「大丈夫か、レエテ!! 気を確かに持て!」
「……シ……シエル……。
私……。私……」
呆然とするレエテの元に、シェリーディアも、駆けつけた。
シェリーディアも――近づきながら驚異の視力で状況を見て取っていたため、しゃがみ込んでレエテを覗き込む貌は、憐憫に満ちていた。
しばらく沈黙があった後、レエテは――。返り血と混ざった涙を拭いて、シエイエスとシェリーディアを見た。
愛する者2人が側にいてくれて、ようやく気持ちが落ち着いてきたようだ。
そしてややあって、微笑を浮かべてレエテは言葉を返した。
「大丈夫、よ……。心配かけて、ごめんなさい。ふたりとも……。
心の傷を開かれた思いはあったし、自責の念に押しつぶされそうだったけれど……。
どうにか、押し留めた。
私には……シエル、あなたも……私の帰りを待っている、エイツェルとレミオンもいるんだもの……簡単に死ぬことなんて、できないわ……。私の子同然の……シェリーディア、あなたのアシュヴィンのためにも。ボルドウィンのナユタとルーミス……エルスリードのためにも」
レエテの言葉を遮らないように黙って、しかし力強く、シエイエスとシェリーディアは頷いた。
「今回のことは……ハーミアなのか、悪魔の啓示なのかはわからないけれど……。決して忘れてはならない教訓として、これから直ぐに生かし取り組んでいかなきゃならないわ。
もちろん、ジェラルディーンやマリーエンヌの云うこと全てが、正しい訳じゃあない。けれど、これまでの7年、それなりにしっかりやれてると思えてしまっていたことそのものが、大きな慢心だったのよ。やりきれてなんか全然、いない。むしろ問題は今現在も、将来も山積しているんだわ……」
「……」
「明らかになった問題を、ナユタとも、オファニミス陛下とも、ヘンリ=ドルマン陛下とも、ソルレオン陛下とも共有して、全力で解決策を見出すわ。組織サタナエルの問題、私達のパワーバランスの問題、サタナエル一族の問題も。私の、あとどれぐらい残っているかわからない寿命をかけて、取り組む。それには、あなた達の協力が必要。あなた達……こんな頼りない私の意志を、私の天寿の後も生き続けて引き継いでくれる、かしら……?」
シエイエスとシェリーディアは、笑ってレエテの肩を抱き、云った。
「いちいち聞くまでもねえ、水くせえ問いだな。当たり前だろう。今も将来も、アタシ達はアンタを全力で支えるし、ダメなときは文句を云うだけさ。
そうやっていつまでもアンタを頼って、おちおち死んでられねえ状況を作ってやるから安心しな」
「そうだとも。寿命寿命というが、俺達はまだまだお前が死ぬなんてこと、想像してもいないからな。やりたいことを全部やりきる時間は、あると思え。
それは――決して、今云ったような、仕事だけじゃない。お前が命をもらった、もう一つの意味。
――生きることを、楽しむんだ。俺達家族と、仲間と。子供たちに、愛を注ぐんだ。それもお前が考えるべきことだということ、忘れるなよ」
「ありがとう……ありがとう……!!! 二人とも……!!!」
*
その後混乱の首謀者、ジェラルディーンとグルガン、サタナエル元兵員などの戦闘者たちの遺体は、レエテの意向でそれぞれの故郷に手厚く葬られた。
囚えられたサタナエル一族はアトモフィスに移送され、8人の追従者たちは説得の末改心し、レエテに再び恭順の意を示した。
マリーエンヌとラクシャスは、レエテが一族の中原への移住についての許可を、王国と折衝している最中――。牢獄でお互いの心臓を結晶手で突き合い、心中を図り――共に天へと登った。
それを聞いたときのレエテの悲しみは――。場に居た全員が涙を禁じ得ないほどであったという。
その後の、レエテの動きは大陸を安定させようとする「現在」を重視するものから、「将来」における恒久的安定を図る方向に舵がきられた。
とくに、サタナエルのような歪な過干渉なしに、自然にパワーバランスに押し止めるにはどうしたら良いか、尽きることなく議論と方策が繰り返された。
現在力の集中するアトモフィスとボルドウィンの、将来における移住や政権交代の計画、ボルドウィン魔導師府で魔導を学ぶ者たちの、出身地や士官先の適度な振り分け。過剰な方策を避け、あくまで緩やかな変化を志向して考案がなされていった。
そして何よりも――。サタナエル一族の特殊性を解消し、通常の人々といかに溶けこませていくか。
結婚すれば確実に子供も「一族となり」強制的に短命となることへの、差別の問題をいかに解消するのか。
これには、かつて王国ファルブルク城地下で行われていたダレン=ジョスパン公爵の研究結果や、永年にわたるサタナエルの試みや記録によって行われる研究の解析が主となり、ナユタとシエイエスが中心となり続けた。
また、一族の始祖クリシュナル・サタナエルのルーツと云われている唯一の手がかりの可能性を持つ土地――レムゴール大陸に関する研究、渡航に関する研究も、進められていった。
そのような多忙を極めつつも、できる限りの人生を謳歌することにも、レエテは努めた。
そして彼女の愛情を一心に受けたエイツェル、レミオン。それに準じて愛情を注がれたアシュヴィン、エルスリードといった子供たち。サタナエル一族の、新たに生まれ育った子供たちは。
レエテの正しく美しい心を存分に受け継ぎ、健やかにたくましく、育っていったのだった。
そして、混乱から2年後。サタナエル滅亡から9年後となった、その時――。
一度寿命を克服し、新たな生命を得たレエテに対し、定められていたのであろう、「真の運命の刻」が――。
遂に、訪れることになったのであった――。