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2話

執筆再開、少しずつ改変するかも

1942年4月、ハワイ・真珠湾の桟橋に停泊する太平洋艦隊旗艦・ペンシルバニア(BB-38)

俺、ジャック・ウォーレンは太平洋艦隊最有力大型艦である巡洋戦艦コンスティチューションの副長でありながら、この戦艦ペンシルバニアの船内の一室で作戦会議に参加していた。


理由は簡単だ。4月前半にマニラであった重巡ペンサコラによる日本貨物船、第一奉天丸誤射撃沈事件に伴う日米関係の緊張にあった。だが、何故副長の俺が参加しているかと言うとそれは俺に江田島海軍兵学校(日本のアナポリス)への留学経験があるからだ。無論、俺の上官であるコンスティチューション艦長や最新鋭戦艦ワシントン、ノースカロライナ、サウスダコタ、それに旧式ながら未だに有力な戦力となりうるコロラドやメリーランド、このペンシルバニアの艦長なども参加していた。

もっともアリゾナ、ネバダは現在、すでに日本を牽制すべく何隻かの巡洋艦と駆逐艦、それに空母レキシントン・エンタープライズの2隻と複数の巡洋艦及び駆逐艦から構成された空母機動部隊と共に豪州ダーウィン及び英領のマレー半島の沖合い(※1)へと向かっていた


「日本艦隊がフィリピンへ向かっているとの情報が入りました」

連絡士官がそう言うと太平洋艦隊ハロルド・E・キンメル大将「わかった。すぐにフィリピンに増援部隊を送れるように大統領に連絡を取ってくれ」と言う。するとその連絡士官はキンメルに敬礼しながら「了解」と続いた。しばらくしてからキンメルは渋い顔をしつつタバコを吹かした。


1時間後、ペンシルバニア甲板上

俺はペンシルバニアの第2砲塔の横に立ちながらから自分の艦を眺めていると「ウォーレン君、どうしたのか?」と大柄の男が話しかけてきた。


その話しかけてきた男は、俺の上官で、コンスティチューションの艦長であるJ(ジェームズ)・ニコルソン大佐だ。ニコルソン大佐はかつて俺が海軍士官学校(アナポリス)時代に教官を勤めていおり、大柄だが穏やかな人物で俺たちより8期以上上だと言うのに親しげに学生から話しかけられ、多くの人から尊敬され愛されている人格者だ。

「あ、艦長。いえ、なんでもありません」と俺が言うと艦長は「ウォーレン君。君の考えていることは大体予想がつく。だが戦時なんだから我々は上からの命令を疑問視する事無く実行する。それが責務だと言うことを忘れてはならない」と続き、俺は「その通りですね艦長」と続く。


それからしばらくするとコンスティチューションから小型カッターがやってきて俺と艦長はペンシルバニアの舷側ステップを降り、士官から話を聞くと小型艇に乗り込み、自分たちの艦へ向かう。


ペンシルバニアのほうを振り向くと同艦も出港の準備を始めている。いよいよか、俺はそう思った。

到着は約3週間後、それまでフィリピンが持っているかどうかは疑問ではあるが。無論、日本軍がフィリピンを攻略するか否か、それも可能性があるかどうかは分からないのではあるが…………



どうでも良いがコンスティチューションは長門・鞍馬級の近代化改修に対抗して近代化を施したが、その中でも一番大きなモノは機関のポスト条約型の最新鋭(ノースカロライナ級)戦艦と同等のものに変更したついでに7本煙突からマストと煙突が一体化したもう一つの最新鋭(サウスダコタ級)戦艦の様な大きな煙突形状に変更、更にその煙突の長さはコンスティチューション級の異任務姉妹と言えるレキシントン級空母と同じものに変更されていた。

防御面については舷側内外にに傾斜11度で11mmの傾斜装甲を追加する程度で、16in(40cm)はおろか、英独仏伊などで使用されている15in(38cm)や日本海軍の多くの戦艦が装備する14in(35.6cm)や砲に耐えられるかすらわからない程度の若干の強化ではあったが、一方で水平面に関しては最上部に27mm、中部に45mm、そして装甲甲板を87mmに増厚させた事もあって、長距離砲戦には強くなったとも言える。そして何より攻撃面については4基の50口径16in連装砲を全て45口径ではあるものの、新型16in砲であるMk-6の試作品に交換したこともあって攻撃力は増したていた。

※1 ただし英国は日独伊同盟が無い事から米国寄りの中立。無論日本側も英国とのパイプを維持するためにマレー半島への関心を示していない


コンスティチューション級巡洋戦艦(近代化改修後)

275m×35m、満載排水量4万6877t(推定)、速力31.5kt以上、偵察機 キング・フィッシャー×2

16in連装砲Mk-6PT(Prot Type)×4、5in単装多目的砲×8、28mm機銃×8、12.7mm機銃×9

装甲(1935年の近代化以後)

舷側 178+装甲の内外に各傾斜装甲11mmで200mm(追加によって実質245mm相当。11mmは最厚部)

甲板 27+45+87mm(機関部上のみ125mm)、司令塔 245mm(周囲)+98mm(上)

砲塔 254mm(前)、157mm(上)、248mm(側面)、102mm(後部)、弾薬庫 132~251mm

機関部 74~157mm、、各種断片防御用装甲多数、副砲 断片防御用装甲のみ

舷側装甲は薄いものの防御形式はオールorナッシング形式で合理的になっており、15km圏内ではシャルンホルスト級の28cm砲相手なら十二分に耐え切れるとされていたが、やはり41cm砲に対しては無力とされており、米戦艦としては珍しい防御軽視の思想は批判の的にもなった。


なお艦橋のマストはレーダー装備もあってかサウスダコタ級や近代化後のペンシルバニアに近い

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