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TEN  作者: A
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7:Before you come here you should dead once

次に気付いたとき、尚人は外にいた。頭上には星空が広がり、真ん中には月が不気味なほど黄色く輝いている。


尚人はあたりを見回す。どこかの建物の屋上のようだ。




「あれ? キミは・・」



尚人は後ろからの声に慌てて振り向く。



そこには男の子が立っていた。おそらく中学生だろう。ブレザータイプの制服に身を包んでいる。


彼が地面に向かって手をかざした。

すると突然、彼の手に大きなランスが現れた。

尚人は目の前で起きた現象に驚きの表情を浮かべる。



「その左手。見せてもらってもイイかい?」



彼はそう言って尚人の左手にある六角形を指した。尚人は言われるがまま手を差し出す。


男の子がその手を見つめる。



「うん。問題ないね。」



男の子が肩の力を抜くと同時に手に持っていたランスも瞬時に消える。



彼は両手を少し広げて言った。




「ようこそ、僕らの世界へ♪ キミも今日からここの一員だ。」




(・・ボクらの・・セカイ?)




「まぁ、とりあえず自己紹介といこう。僕の名前は アサイ マサユキ。中学2年生。一応ここのリーダーをさせてもらっている。リーダーと言っても名ばかりだけどね。」



そう言って彼は最後に苦笑いをしてみせる。



「君の名前は?」



「僕は 藤堂 尚人 っていいます。小学5年生です。えっと・・気が付いたらここに・・・

「君、死んだでしょ?」



(・・え?)



尚人の頭の中で オダ マオ に斬られた場面がフラッシュバックする。

彼女の口元は笑っていたが、目はまるでガラス細工のようで感情が写っていなかった。



「あっ、いや、"死んだ"と言っても君が思っているのとは少し違う。僕らの言う"死んだ"というのはTVゲームのそれと同じさ。」



「・・TVゲーム。」


尚人は無意識に復唱する。




「そう。 戦闘不能になる度に自動的にここに帰ってくるようになっているんだ。」




尚人はあたりを見回す。その様子を見て政之が言葉を続ける。




「僕らはここを セーフティゾーン と呼んでる。ここには他の集団の子たちは入れないようになってるみたいだからね。」




「・・・・他の集団?」




「ここには僕やナオトくん以外にもたくさんの子達がいて、僕が知る限り9つの集団にそれぞれ所属してるんだ。所属する集団はマークで判別できる。」



そう言って彼は自分の左手の甲を指す。そこには尚人の手についているのと同じものがあり、甲の部分には 正六角形が3つ並んだ模様が浮かんでいた。


尚人は自分の左手を確認する。甲の部分には彼と同じ模様があった。

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