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TEN  作者: A
4/12

5:As per usual

「尚人ー。ご飯にするから降りてらっしゃーい。」



階段の下から聞こえてきた声に読んでいた漫画を置く。ベットから起き上がると、電気を消して部屋を後にする。



1階に降りると母親が料理をダイニングのテーブルに運んでいた。その後ろをトコトコと女の子が付いてまわる。尚人はいつもの席に着いて料理が並び終わるのを待った。







「尚人。学校はどうだった?」



食事が始まってしばらくすると母親が正面に座る尚人に訪ねたてきた。



「うん。友達できたよ。」



「あら♪早いわねぇ。良かったじゃない♪」



母親は自分のことのように嬉しそうな顔をしている。



「うん。」



「お友達 なんていう子?」



「秀光くん と 和葉ちゃん。」



「2人も♪それに1人は女の子?やるじゃない♪」



尚人はもくもくと食べ進める。

それを見て母親は隣に視線を移す。


「あかね も幼稚園でお友達できたもんねー?


「うん!えーっとねぇ こうじくん と ちかちゃん!」



あかねと呼ばれた女の子は顔に笑顔を咲かせて答えた。



「うちの子達は友達作るのが上手ねぇ♪ お母さん心配して損しちゃったわ。」










食事を終え、風呂もすました尚人は自分の部屋に戻ってきていた。ランドセルに明日の教科書を詰め込みながら今日の出来事を思い出す。


( 友達出来るか心配だったけれど、秀光くんも 和葉ちゃん も仲良くしてくれて嬉しかったな。 尾田さんは・・)



ーー昼休みーー



校門近くで和葉と麻央がいくつか言葉を交わしているのを尚人と秀光がしばらく見ていると、和葉がこちらを手招きした。そばまで行くと、



「こっちは とーどーくん♪ 今日クラスに来た転校生。こっちは まおちゃん♪ 同じクラスの女の子。」


と僕と彼女にそれぞれの説明をしてくれた。



「よ、よろしく。」


と挨拶をした尚人に対し、麻央は「んー」とだけ言って下駄箱へと歩いて行ってしまった。



「とーどーくんごめんね。まおちゃん悪い子じゃないんだけど。」



和葉が少し困った顔で笑う。



「まぁ、いつもだいたいあんな感じさ。」



秀光が尚人の肩を叩きながら教えてくれた。


ーーーーー




(やっぱりちょっと友達になるのは難しそうだなぁ。)


尚人は苦笑いしながら電気を消して布団に潜った。



(明日も新しい友達出来るとイイな。)



転校初日というのは想像以上に尚人に疲れを貯めたようで彼はすぐに規則正しい寝息を立て始めた。







今夜も雲の隙間から月が顔を覗かせている。




時計の針は21時を指した頃。

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