12:He opened the key
大変遅くなりました。
そしていつも以上に短いです。
ごめんなさい。
「これは・・盾・・だけ?」
尚人は自身の右膝部分に現れた円形の盾をみながら呟く。
もう一度両手に視線を移すが政之の持つようなランスは現れていない。
「触れることがコピーの最低条件とみて良いみたいだね。流石に本物を100%再現とはいかないみたいだけれど、50%はあるんじゃないかな」
彼の能力のメインと思われるランスだけならともかく、盾しかコピー出来ないなんて50%はおろか30%程度しか再現出来ないのではないかと尚人は感じていた。
カンカンカンカン・・・
再び鐘の音が鳴り響いた。
「どうやら時間切れみたいだ。」
政之が残念そうに言う。
きっとさっきから鳴っている鐘の音が合図なのだろう。
彼にもしっかりと聴こえていたようだ。
「終わりが近くなるとこの鐘の音がなるんだ。ところで尚人くん。明日の放課後、会えないかな?」
気づくと朝になっていた。
尚人は眠たい目を擦りながらもベッドから降りてカーテンを開ける。
暗かった部屋にいっきに光が差し込んだ。
鍵を開けてベランダに出るとひんやりとした
風が頬をなで眠気が引いて行くのがわかる。
ジリリリリリリ‼
慌てて枕元の時計のアラームを切ったかと思うとその針をじっと見て顔が青ざめて行くのがわかる。
「やばいっ!!」
そう言って彼はタンスの前に置かれていた着替えとランドセルを抱えて、ドタドタと1Fに降りて行った。
ベッドに放り出された時計の針は午前8:00になろうとしていた。