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 樹木の枝葉の間から漏れてくる日射しの中、枝の上で寝転がっていた香月は、慣れ親しんだ鼻先をかすめるように揺れる柔らかな髪にクスリと笑みを漏らす。

 瞼を開けると、穏やかに微笑む真樹の顔が上から覗き込んでいた。

「香月、もうそろそろ起きないと、神竜様が怒るよ」

「もう少しだけ寝かせてよ」

 そう言うと香月は小さな欠伸(あくび)を漏らし、瞼を閉じる。

 風に揺れる葉の心地よい音とは別に、床をどしどしと歩く神竜の足音が聞こえてきた。

 香月が面白そうにクスクスと笑いを漏らす。

「香月!」 

 中庭を見渡せる縁側に立ち、前日までなかった巨木の前で神竜は腕を組んで、目の前にそそり立つ木を見上げる。

「何度言ったら分かるんだ。俺の式神を勝手に使うんじゃない」

「やーだね。いいじゃん別に、俺だってお前の式神なんだし」

 香月が上半身を起こし、下に居る神竜に向かって舌を出す。神竜のこめかみに青筋が浮いた。

「お前な……真樹は式神にしたが、俺はお前まで式神にした覚えはないぞ」

「何言ってんだよ。真樹がお前の式神になってもいいって言うんなら、俺もお前の式神になるに決まってるじゃん」

「何がどう決まっているんだ」

 怒りを押し殺したドスのきいた声で呻く神竜に、枝の先に腰かけた真樹が困ったような笑みを浮かべ、香月を見やる。

「香月、神竜様が困っておられるみたいだよ」

「んー。みたいだねー」

 クスクスと笑う香月に、釣られるように真樹も目元を和ませる。

「いいじゃん、楽しいからさ」

 その言葉を聞いた神竜の片眉がピクリと跳ねる。

 拳を震わせて叫んだ。

「俺は、全然楽しくない!」

 神竜のその言葉に、香月が今度は声を立てて笑う。

 風に舞い上がった一枚の葉と共に、香月の笑い声が楽しげに空へ吸い込まれて消えた。


これで、終わりです。

長い間お付き合いくださりありがとうございましたm(__)m


ここまで読んでくださった方で、感想、評価してもイイよって方は、よろしくお願いします。m(__)mこれからの、参考にしたいので・・・あっ無理にとは、言いませんので・・・(^◇^;)


ではでは、またいつの日かヾ(@⌒ー⌒@)ノ

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