『朗読を忘れたトンビ』
昔、トンビは、オウムやセキセイインコのように、速記の朗読ができたのだそうです。空の高いところから地上を眺めて、朗読が必要な速記者を見つけると、急降下していって速記を朗読して飛び去る、というような特技を発揮していました。しかしトンビは、空を飛んでいるときは自分が一番だと思えるのですが、地面に降りてしまうとうまく歩けないので、あるとき、馬が疾走する姿を見て、惚れ込んでしまいました。トンビは、馬のようになりたいと思って、馬の鳴き声をまねしているうちに、朗読を忘れてしまい、馬の鳴き声も体得できず、あんな感じになってしまいました。
教訓:なれもしないものに憧れるのは、時に不幸を招く。