出会い
馬車で目を覚ます、ヒナタ。隣のエルと話し、久しぶりの再開…魔術友情が混じり合う、ラブコメファンタジー!!
私は、1人だった。孤独だった。誰かに守って欲しかった。けど、そんなワガママはしちゃダメ。お父様が忙しく仕事をしているのに邪魔をするのはいけない。私は、お父様の為に自分自身のために《魔術師》になるんだ。そう…誓ったから。
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ゴト、ガタッ…カタカタ…
「ん…」
(ここどこ?)
「お、起きた。おはよう?」
「…あ、ごめんなさい。肩…重たくなかったですか?」
「いんや。重たかったけど…疲れてそうだったし、起こすのも悪いと思ったからさー…いいだろ、俺の判断だし。」
「ありがとうございます…えっと…あっ…学校に行く馬車でしたっけ?これ。」
「ん?そうだけど…《魔術養成学校》の入学生を運ぶ馬車。この馬車の中にいる人達が今年の生徒になるんだ。あ、俺はエル・トリップ。お前は?」
「あ、私は…ヒナタ・ミナトです。」
「ヒナタ?独特な名前だな。ま、かっこいいし、いいなその名前!」
「あ、ありがとうございます…」
「敬語はいいよ、ヒナタ。俺のこともエルって呼んでくれたらいいし。」
「じゃあ、エル。…これでいいかな?」
「うんうん。《魔術養成学校》って男女混合だけど、ヒナタは《女》か?」
「まぁ、そうだね。この学校って女子が少ないって言ってたけど…本当なんだね。」
「だな。今年の入学生は、ヒナタだけだな。《女》の生徒。」
「心配だなぁ…」
「大丈夫だって!ヒナタはどういう感じでここ、《魔術養成学校》に入れたんだ?」
「…どーしても《魔術養成学校》に入りたくて、めっちゃくちゃ勉強したら優秀な成績で入れたんだ!努力の賜物だよ…」
「それはスゲーな…俺は普通に勉強したら入れたって感じ。《男》は、そんな争奪戦じゃないからなー…」
ガタン!
「わっ…」
「おっとっと…大丈夫か?急に止まった…」
「着きました。これから入学式の準備に取り掛かります。入学生の生徒は各教室で待っていてください。」
「ヒナタって、どのクラス?」
「んー?1年B組だよ?」
「おっ、一緒じゃん。一緒に行こーぜ。」
「ほんと!?良かったー…知り合い、いないと思うと緊張するし…」
「ラッキーだったな!さ、お手をどうぞ。」
「えー…じゃあ、お言葉に甘えて。」
「よっと。」
スタッ。
「ありがと、エル。」
「これぐらいどうってことないぜ。さ、教室に行こうぜ。」
「そうだね…ん?」
「どうした?」
「いや、あの人…なんか見覚えがある気がするんだよね…気のせい?」
「んー…気のせいじゃね?」
「そうだね、教室行こうか。」
「…」
「…ル、エル!」
「んあ?」
「どうしたの?ボーッとして…」
「いや、ごめん。教室、先行っててくれるか?ヒナタ。」
「え?あ、うん。わかった、早く来てね?」
パタパタ…
(…行くか。)
スタスタ…
「なぁ。」
「なんだ?」
「お前…ヒナタ・ミナトって知ってるか?」
「…!」
「…知ってるようだな?シャドウ・スピア。」
「そりゃ、まぁ…幼なじみだしな。」
「はぁ?」
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(…まだかな?エル…うーん…席の表ぐらい見て、把握しとこうかな?)
「ねぇ、君。」
「はい!…あ、あのどうしましたか?」
「君、可愛いね。」
「は、はぁ…」
「ちょっとまだ時間あるから、ちょっと来てくれる?」
パシッ。
「あ、あの、離してくださっ…」
「いいじゃん。痛い目あいたくないなら一緒に来な。」
ゾワッ。
「…っ!」
(怖い…!)
パンッ!
「ちょっとセンパイ。俺の友達に手出さないでくれない?」
「あ゛あ゛?お前誰だよ。」
「ここの入学生ですけど?何か問題でも?」
「…1回殴って教えてやろうじゃないか。コイツいらねーし。」
ドンッ!ドサッ!
「痛っ!」
「…センパイ、覚悟は出来てんだろうな?」
「え、エル。ダメだよ…先輩に手を出したら、どうなるか…」
「大丈夫だって。ヒナタは、アイツと一緒に先生に報告しにいって。よろしく!」
「アイツ…?」
「ヒナタ、こっち!」
「え?し、シャドウ?!なんでここに…」
「お前こそなんで学校にいるんだよ!」
「おいおい、やめようぜ?入学式の時にこんな騒ぎ起こしてんの。」
「り、リオン会長…」
「どっちからふっかけたんだ?」
「…」
「こっちのセンパイからです。俺の友達に手を出そうとしてて…」
「おまっ…」
「そうか。お前ら俺の階の生徒だな?面倒事は起こすなといっていたんだが…入学式が終わった後、俺の部屋に来い。」
「…はい。リオン会長。」
「お前の名前は?」
「…エル・トリップです。」
「ふっかけられた友達は?」
「あ、私です。えっと…ヒナタ・ミナトです。」
「そっちのやつは?」
「…シャドウ・スピアで、この2人の友達です。」
「そうか。3人とも、入学式を最悪にして悪かったな。3年間頑張れよ?」
「あ、はい。リオンセンパイ。」
「あ、ありがとうございます!」
はい。ザラメです✩.*˚ちゃんと勉強して描きました、《僕らの永遠の花》!二次創作では無いです。最後まで読んでいただけると幸いです٩(*´∀`*)۶感想も書いていただけると…作者の私がフル稼働で執筆します(●︎´▽︎`●︎)