第8話:刀
リアースは地球の様に科学が発達した世界ではない。
飛行機や戦車、ミサイルや銃などと云う物は勿論存在しない。
物語やおとぎ話での空想物である。
リアースでも争い事は起こる。
武器は、大剣や剣、レイピアやシミター、槍やナイフ、こん棒、鎌、斧、弓などである。
日本特有の武器、刀や薙刀もレアで存在している。
地球で一昔主流だった武器。
リアースの世界では今も主流なのである。
リアースとはそんな世界である・・・
リアース歴3226年 5の月22日。
俺は5歳になった。
父から誕生日のプレゼントとして木剣を貰った。
「今日から剣術の練習を始めるぞ!
腕の力はまだ弱いが、体力的にはかなりついて来たからな」
「ありがとう父さん!イナリと毎日追いかけっこをしているから体力には少し自身がついて来たよ」
そう、俺は毎日毎日追いかけっこをして来た。
俺がひたすらイナリを追いかける日々。
まだ一度として捕まえる事が出来ない・・・
イナリが「フンっ!」と鼻を鳴らす。
(笑いやがったなこのガキャー!)
良い覚悟だ!表へ出ろ!
あ!嘘ですごめんなさい。
許してください。
(噛まないで~!)
こいつ人の心を読む様になって来たんと違うか~。
素振りをする日々が始まった。
父から貰った木剣は意外と重い。
地球で云うバスター剣に似た形であろうか。
木刀とはちょっと違う。
「父さんが使っている武器は『刀』だよね?
僕もいずれは、父さんみたいに刀を武器にしたいなぁ。
カッコいいもんねぇ」
「そうか!カッコいいか」
父はニコニコである。
相変わらずチョロインですなぁ。
剣の一般主流は片手のバスター剣である。
力任せに振り回す大剣もあるけどね。
刀はレアな武器である。
他の剣に比べると切れ味は抜群なんだけど、折れやすい。
反りがついている形状が使い難いと云う理由の人が多い。
父は太刀(2尺3寸前後=70cm)と脇差(1尺5寸前後=46㎝)の2本を持っている。
まさに侍スタイルですよ。
(カッコいい!)
「まぁ、今はその木剣で素振りして腕力をつけろ。
剣の形なんて今はどうでも良い。
俺との立ち合いを始める頃には木刀を用意してやる」
「はーい!」
俺は素振りをしてみる。
「ほう、なかなか筋が良いな。きちんと形になっている。
左手の握り、右手の添え方も良いぞ。力の抜き加減も良い。
流石俺の子だ!」
また始まったよ、親馬鹿め!
まぁ、前世で剣道習っていたからね。
素振りくらいは大丈夫でしょうよ。
でも、俺って性格的に攻撃するのが苦手だったからなぁ。
いつも回避や受けばかりだったっけ・・・
こんなのでやっていけるのかなぁ~俺?
一抹の不安があるものの、俺は素振りを続けるのであった・・・
素振りだけの日々が2カ月ほど続いただろうか
「ルーク。今日からいよいよ立ち合い稽古を始める。この木刀をやろう」
お!木刀だ。やったぜ~。
ん!?少し短いか。
脇差サイズの木刀だなこりゃ。
「父さん、これって脇差サイズ?」
「そうだ!なるべく身体のサイズに合った物を使った方が良い。
身体が大きくなったら、それに合わせて太刀のサイズを用意してやる」
ふむふむ。確かにそうだ。
俺ってまだ5歳だっけ。
「分かったよ、父さん!」
「うむ。これから立ち合い稽古を始める訳だが、土の精霊術も同時に使ってやるぞ」
「えぇ!?土の精霊術も使うの?」
「俺が師匠から習った本格的な刀術はまだお前には早すぎる。
それは身体が大きくなってからだ。
今は刀術の型的な教え方はせず、戦う感覚的なものを教えるつもりだ。
実践では精霊術も駆使して戦う事になるのがほとんどだろ。
だったら今は土の精霊術を使った戦い方を覚えろ。短い詠唱でな!
本格的な刀術の稽古は様子を見て教えてやるから・・・」
そうなのである。
ゴーレムはまだ完全にマスターしていないが、それ以外の術はある程度詠唱を短くして出来る様になっていた。
(俺って凄いかも~)
「そ・そうだけどさぁ~」
「今は土の精霊術を活かした刀の使い方を身に着けるべきだ。
刀は他の剣より切れ味はあるが、攻撃を剣で受けてしまったら折れてしまう場合がある。
俺は土の精霊術を活かして攻撃を受け、相手の体制を崩し、隙を見て素早く切り込む戦い方をしている。
刀の短所になる受けの部分を土の精霊術で補う訳だ」
「へぇ~、そうすると刀と土の精霊術って相性が良いのかな?」
「そうだ!良く気が付いたな。だから父さんは刀を使うようになったのさ。
俺のすべてをお前に教えてやる。いいな!」
「ハイ!」
なるほどねぇ。
刀は他より軽くて切れ味が良いのが長所だ。
欠点は刀が折れやすい事。
土の精霊術でそれをカバーするのか。
(ただの脳筋じゃなかったんだね!)
今までいろいろとごめんなさい!
少しだけ、ほんの少しだけ見直しました・・・




