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リアース戦記 ~鉄壁のルーク~  作者: ナナすけ
新人冒険者の章
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第81話:誰が為に鐘は鳴る1

リアース歴3236年 9の月29日13時。


 森林の奥から、何者かがやって来る。

 俺達は一先ず戦闘態勢を取って待ち構えていた。


「なぁケビン、ここから撤退した方が良いんじゃないかな?」

「俺もそう思う!ギルド長は何かあったらすぐ逃げろって」


 レミオンの意見に俺も賛同した。

 何だかヤバイ気がする。

 こう云う第六感は昔から信じた方が良いのだ。

(君はコスモを感じた事があるか? by 聖矢)

 あ、あれはセブンセンシズか。

 第六感とは違いましたね。

 こんな緊張している場面で、勘違いでゴメンなさい。


「犯人の正体を見極めるチャンスなんだぞ!これが俺達の指名依頼だったじゃないか」

「でも、危険そうならすぐ逃げろとも言われている」

「ビクビクしていて冒険者が務まるかよ!」

「勇敢である事が冒険者だとは思わない。引く時には引かなければ!」

「何だとテメェ~!」


 ケビンとレミオンの言い合いになる。

 今、言い合いしている場合じゃないじゃないか。


「こう云う時は臆病なくらいが丁度いいってカイ・シデンも言っているしさ。引こうぜケビン!」


 俺は二人を止めに入る。


「「カイ・シデンって誰!」」


 ケビンとレミオンが俺に振り向いて言う。

 あ~、しまった!前世のガン〇ムネタ言ってしもうた。


「お・おバカ!」


 アイシャ~、そんな冷静に突っ込まないでよ~。

 アイシャの視線が痛いっす。

 今のは業とじゃないんです、本当なんです~。


「キュキュキュ!フー!」

(すぐそこまで来たー!気を付けて!)


 ガサガサガサガサ!


 今、凄く近い所で葉の揺れる音が・・・

 これはマズイかも!


 ガサガサガサガサ!


 イナリの顔が左の方に向いて行く。


「左だ!」


 俺は思わず叫ぶ。

 その時だ!

 白い何かが木々の葉の中から飛び出して来た。


「キャーーーーー!」


 大きな悲鳴が上がる。

 ニコルか!

 ニコルの方を向くとニコルの身体には白い糸の様な物が巻き付いている。

 白い糸?

 蜘蛛か!

 糸を切らなきゃ。

 俺は太刀を抜こうとする。


「キャーーーーー!」


 更にニコルの悲鳴が上がったと思ったら、ニコルの身体は宙に浮き、木々の葉の中に引っ張り込まれた。

 クっ!ニコルが消えた。

 どうしたら良いんだ。

 下手に弓や精霊術で攻撃出来ないじゃないか。

 そうだ!


「大地を砂に!『ピート!』」


 俺はニコルが攫われた方の木々の根元の地面を砂に変えるピートの術をかけた。


「木が倒れる。気を付けろ!」


 木々を支えていた根っ子の部分の土がサラサラの砂に変わった事で、支えを失った木々は一斉に倒れだす。

 ニコルよ、骨折くらいで済んでくれると有難い。

 攻撃を食らうよりは全然良いだろ?


「キャーーーーー!」


 これまた、一際大きい悲鳴が上がったと思ったら、天からニコルが落ちて来る。

 ある魔物と一緒に・・・


「ゾアスパイダーか?」


 普段は無口なセンバさんが言った。

 ゾアスパイダー?

 確か上級の魔物じゃなかったか?

 始めて見る。

 ひ・人より一回りくらい大きい蜘蛛。

 うげー!蜘蛛って嫌いなんだよなぁ・・・気色悪い。

 身体の色が赤や黄色で保護色みたいで見分け辛い訳だ。

 あ!奴の色が変わった。

 こいつ、カメレオンみたいに身体の色を変えやがった。


「くっ!よりによってゾアスパイダーが相手とは厄介な。

 奴の尻から出す糸と口から出す溶解液に気をつけろ!」


 センバさんがゾアスパイダーの情報を教えてくれる。

 この話ぶりだと前に戦った経験がありそうだな。


「お・お兄ちゃん、助けて~!」

「ニコル!今助けるぞ」


 そうだ!まずはニコルを助けるのが先決だ。

 ニコルはいつの間にか糸でグルグル巻きされていた。

 落ちた衝撃で何処か怪我をしていないか心配したが、糸がクッションになってくれたお陰で打ち身もなさそうだ。

 少しだけホッとする。


「シャーーーーー!」


 ゾアスパイダーが初めて吠える。

 俺達を威嚇してやがる。

 俺は足を開いて腰を落とし、居合の構えをする。


「大地を愛する土の精霊達よ!我の願いを聞き届け、土なる力を我に与え給え!

 うなれ地を這う刀『地列斬!』」


 この技はまだ開発中のため、詠唱が長い。

 地面を切り裂く様な飛燕が、土埃を巻き上げながらニコルとゾアスパイダーを繋ぐ糸目掛けて向かって行く。


 ブツリ!


 ニコルとゾアスパイダーを繋ぐ糸が切れた。


「今だ!」


 ケビンとセンバさんがゾアスパイダーに向かって走る。

 アイシャはそれを弓でイナリは狐火で援護。

 レミオンとベレットと俺がグルグル巻きになっているニコルを助けに走る。


「ニコルちゃん、動かずジッとしていてね!」


 手先が器用なベレットは短刀でニコルに巻き付いている糸を切って行く。

 レミオンと俺は切れた糸をニコルから剝がして行く。

 うわ~、ベトベトで気持ち悪い~。


「もうベトベト~!」


 ニコルが愚痴る。

 俺も今思ったよ。


「今、水で洗い流してあげるよ。水の精霊達よ!我の願いを聞き届け、水なる力を我に与え給え!我らに清めの水を~!『ウォーター!』」


 シャワーの様な水が糸のベトベトを洗い流してくれる。

 気持ち良い~・・・でも、びしょ濡れなんですけど。


「ニコルは助けた!」


 俺は必死でゾアスパイダーと対峙してくれているケビンとセンバさんに叫ぶ。


「済まない、助かった!」


 ケビンが後ろを振り向き謝る。

 敵を目の前にして、ワザワザ振り向いて謝るなぁ~。

 危ねぇじゃねぇか!


「礼は後で良い。それより引くぞ!」

「そうだよ、この魔物は危険だ!引こう!」


 俺とレミオンは再度撤退の意見を言う。

 犯人の正体も分かったんだし、無理せず引こうぜ~。


「今更、こいつが見逃してくれるかよ!つべこべ言ってないで早く戦え」

「そ・そうだけどさぁ・・・」


 う~、確かにゾアスパイダーの方が俺達を見逃さないか。

 うわ~、奴の目が真っ赤になっている~。

 捕獲したニコルが逃げたから怒り倍増したかな。

 ハァ~、戦うしかないか!


 ゾアスパイダーとの本格的な戦いの幕が上がる・・・


今回の魔物は私が嫌いな蜘蛛です(;¬_¬) 

次回『誰が為に鐘は鳴る2』をお楽しみに~^^ノ

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