表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リアース戦記 ~鉄壁のルーク~  作者: ナナすけ
小さな英雄の章
39/187

第38話:スタンピード5

リアース歴3235年 6の月23日 7時。


「ルーク起きろ!もうすぐ交代の時間だぞ」

「ふぁ~い!」


 眠たい目をこすりながら起きる。

 こんな状況でもグッスリ眠れるもんなんだな。

 軽く伸びをする。

 これから正門の警備か~。


「ルーク兄ちゃんおはよう!」


 マシューが声を掛けて来る。

 マシューも眠たそうな顔だ。


「昨夜はお手柄だったマシュー!ステイさんも喜んでいたぞ」

「有難う!」


 お!照れてやがる。


「俺、秋に12歳になるんだ。そうしたら、冒険者ギルド見習いになる。

 俺もルークの兄ちゃんみたいになるんだ」

「討たれる覚悟は本当に出来たんだな?」

「うん!」


 良い返事だね。

 真剣な眼差しだ。

 本当に覚悟を決めたんだね。

 アニメネタから言ったセリフで非常に申し訳ないんだけど、君の本当の覚悟が分かったよ。


「だったら、貸してあるナイフをお前にやる!」

「本当かい?」

「あぁ、大事に使ってくれ」

「分かった!有難う」


 何か可愛い弟分が増えた感じだな。

 師匠とジークは心配しているかな?

 この危機を乗り越えてルタの村に帰らなきゃ・・・

 俺はルタの村の方の空を見上げる。

 空は見事な青空だ。



 9時くらいからゴブリン達の動きが活発になって来た。

 丸太で大扉を破ろうとしたり、何カ所か同時に石垣に木を掛けて昇って来たりと、あらゆる攻撃を仕掛けて来る。

 まるで波状攻撃だな。

 頭の良い奴がいるんだなぁ。

 奴らは、2千体くらいはいそうだな。

 こっちが戦えるのは、町の住人を合わせても600人くらいだ。

 同時に来られるとキツイなぁ。

 大扉が破られる心配は、今はなさそうだ。

 問題はハシゴもどきで登って来る奴らか。

 こっちも石垣の上から矢や石、槍や長い棒で攻撃して、何とか昇らせない様にしているけど、数がなぁ。

 ギルド長達、早く帰って来て下さいよ~。



 14時が過ぎた。

 敵の攻撃は止まらない。

 怪我人が増えて来ている。

 癒し班が大変そうだなぁ。

 癒しが追いつかなくなって来ている。

 俺の魔力もほぼ回復して来たようだし、ここでもう1回エリアヒールをかけておくべきかなぁ。


「ステイさん。シスター達の手が追い付かなくなって来ています。

 僕の魔力はお陰様でほぼ回復しましたし、僕がここで1回エリアヒールを使っておきましょうか?

 大扉は今の所破られる心配はなさそうだし、他に魔力を使う場がなさそうですし・・・」


 俺はステイさんに相談してみる。

 勝手に行動して、後で何かの作戦に影響したら困るしね。


「そうしてくれると助かるが、君の方の魔力や体力は本当に大丈夫か?

 私から回してやれるマジックポーションは、後1本くらいだ。

 何かのために温存しておきたい気もするがなぁ・・・」


 確かに温存はしておきたいけどさぁ。

 でも、余裕かましている場合じゃないしねぇ・・・


「やはり1回術をかけておきますね。2~3時間は動けなくなると思いますがお願いします」

「分かった!」


 俺は怪我人の所へ行く。

 うわ!結構重症な人もいるぞ。


「アイシャ!エリアヒールを掛けるから怪我人を集めて」

「大丈夫なの、ルーク?」


 疲れた顔のアイシャが言う。

 そんな顔じゃ、可愛い顔が台無しだよ。


「その言葉は僕が言うセリフだよ。

 アイシャ達皆、魔力が尽きかけてフラフラじゃないか。

 ここで僕がまとめて癒しを掛けるよ。

 そうすれば、癒しの人達も少しは休めるでしょ」


 癒しの人達が皆さんホッとした顔をした。

 やはり、相当疲れているんだね。

 

「では詠唱しますね!アイシャ達は少し下がってね。

 癒しをもたらす聖の精霊達よ!我の願いを聞き届け、聖なる力を与え給え!

 傷つけられし全ての者に癒す力を~!『エリアヒーーール!』」


 案の定、俺の記憶はここで途切れました・・・



「う・う~~~ん・・・」


 モミモミ!掌に伝わるこの感触。

 軟らかい枕だぁ~。


「キャッ!このドスケベ!」


 い・痛い!

 頭を殴られた。

 くすん!


「い・痛いじゃないか~!」


 って、あれ?・・・

 俺どうしていたんだっけ?

 ありゃ?

 これ、太もも?

 俺の顔に太ももがある!

 モミモミ!


「だ~か~ら~!」

「痛い!」


 また食らった!

 ここでハッキリと目が覚める。

 ガバっと起き上がる。

 アイシャが真っ赤な顔で照れている・・・嫌、怒っています・・・かなり!

 こ・この感触はアイシャの太ももだったのか~。

 膝枕って・・・何か照れる~!

 アイシャがまだ睨んでいる。


「あ・あの、アイシャさん!

 よく分かっていないんだけど、太もも・・・嫌、膝枕ありがとう御座いました」


 土下座をする。

 ここは誤りに徹する時だ。

 俺の感がそう言っている。


「まぁ、今回だけは許してあげるわ!」


 顔をプイと横に向ける。

 でも、顔はまだ真っ赤っか~。

 もしかしてツンデレさんですか~?

 名残惜しいが、アイシャをからかうのは一先ず置いておいて。


「アイシャ!僕どれくらい寝てた?」

「3時間くらいかしら」


 あれま!

 結構寝てたんだなぁ。

 と云う事はもう17時くらいか。


「状況はどうなっているか分かる?」

「あまり変わってないみたいよ。

 でもあなたのお陰で、私達癒しの方は、少し休むことが出来たわ。

 有難う!」


 そうか!

 アイシャ達、少しは休む事が出来たか。

 良かった良かった。

 その時、誰かが走って広場に駆け込んで来た。


「ギルド長が帰って来たぞ!」


 朗報が届いた。

 ついに討伐隊が戻って来たのだ・・・


本日は夕方にもう1話更新予定です^^

次回『第39話:2つ奇跡』をお楽しみに~^^ノ


先日からTwitterを始めました^^

https://twitter.com/BarnBunnings02

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ