第2話:転生(挿絵あり)
リアース。
この世界は、地球の対たる裏の世界。
地球とは異なる歴史を歩むパラレルワールド。
ここは、魂の休息と鍛錬の世界。
輪廻転生で地球と繋がって世界・・・
リアース歴3221年 5の月22日。
ここに新たなる生命が誕生する。
地球で疲れた魂は癒され、新たにリセットされた新しい魂を宿した命が。
しかし、この新しい魂は少し違っていた。
魂がリセットされ切れていない。
前世の記憶を持ったままの魂が、新しい命に宿ってしまった。
リセット出来ないほどの悲しい記憶。
癒し切る事が出来ないほど疲れ切っていたのか・・・
私は祈る事しかできない。
彼の新しい人生に幸あれと・・・
ん!・・・
あ、あれ?・・・
俺は死んだんじゃなかったっけ・・・
ん~~~何だかフワフワした感じ~・・・。
安心するなぁ・・・
夢なのかなぁ~?・・・
あぁ~~温かいなぁ・・・
ん!?
なんか急に狭くなったような!
押し出される感じだ!
く・苦しくなってきた!
ぐ~~~助けて~~!
ん!?
「オギャー!」
突然、視界が明るくなった。
しかし、視界がぼやけていてハッキリとは分からない。
誰かに抱かれている様な感じがするんだけどなぁ。
「%$##%$@~$#」
「@¥%%&$!#」
ん~~誰か何か話しているようだなぁ。
「$#$&%%@」
「オギャーオギャーオギャー」
(おーい。何を話している・・・ん!?)
自分が発しようとした声と言葉がかみ合わない。
軽いパニック状態である。
赤ん坊の様に泣いているのは俺か!?
あれ?俺って死んだんじゃなかったか?
それとも助かったのか?
視界がぼやけているのは事故の後遺症か何かであろうか?
何なんだ~~?
後日、視界がようやくクリアになって段々と分かって来た事だが、俺はどうも転生した様である・・・たぶん。
しかも異世界転生じゃないかなぁ~?と思う。
だってさ。親の髪があり得ない色なんだもの。
ワインレッドっぽい色の髪をした20代風の男性は、たぶん父親であろう。
目の色は藍色。無精髭でワイルドっぽくて、結構イケメンじゃないかな。
身体は細マッチョ風な感じで、腕に大きな傷跡がある。
父はいつもニタニタと俺の顔を覗き込んでは話しかけてくる。
何を言っているかはサッパリ理解出来ないが、その笑顔からは愛情がとても感じられる。
強面だが優しそうな人である。
(父よ!笑顔が少し怖いよ)
父は俺を抱きかかえて、数時間おきに肩くらいまである綺麗な銀髪の10代後半風の女性の横に連れて来る。
たぶん彼女が母親なのだろう。
目は黒色。凄く綺麗な人で、品があり優しそうな女性です。
母はいつも寝ており、俺が来ると頑張って上半身を起こし、俺の頭を優しく撫でて頬にキスをしてくれる。
産後の経過が良くないのだろうか?
頬が若干こけた感じで、顔は透き通った様に白い。
とても弱弱しく感じられる。
日に日に悪化しているように思える。
お願いだから良くなって欲しい。
首が座ってないので、自分で見渡すことはまだ出来ないのだが、今までに視界に入って来た情報を整理してみる。
建物の作りはログハウスの様な感じに見える。
木がむき出しだし、壁紙なんてないんじゃないかな?
電器の照明みたいな物は今のところ見当たらない。
代わりに蝋燭があるだけのようだ。
蝋燭の受け皿は鉄っぽいかな?
暖炉の様な物が見えました。
機械や電気製品とかそう云う物が全く見当たらねぇ。
中世ヨーロッパの雰囲気がありありの感じです。
壁に地図の様な物が張ってあるようだ。
あれ?なんか見たことのある形だなぁ。
なんだっけかなぁ?・・・
(そうだ!未来の地球の大陸予想図『パンゲア・ウルティマ大陸』だ!)
ここってやっぱり地球?
未来なのか?
ん~~~分かんねぇ。
パラレルワールドとかかなぁ?
ん~~~眠たくなって来た。
意識が・・・
俺、赤ん坊だしなぁ・・・
駄目だ!眠い!また後で考えよう・・・zzzZZZZZ
リアース大陸




