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リアース戦記 ~鉄壁のルーク~  作者: ナナすけ
聖龍継承の章
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エピローグ

 西暦20XX年 8月15日14時。

 とある喫茶店にて・・・


カランカラン!


 喫茶店の出入口のドアが開き、ドアの上に付いている呼び鈴が鳴った。

 クーラーが効いている店内に生暖かい空気が流れ込むと共に背の高い20代くらいの男性が入って来た。

 その男性はキョロキョロと店内を見渡す。

 あぁ、きっと彼が今日待ち合わせの人物なのだと直感し、僕は軽く右手を上げる。

 彼は僕に気付き僕が座る喫茶店の奥の席にやって来る。


「彼方が『ナナすけ』さんですか?」

「ハイ、そうです!」

「そうですか・・・彼方がナナすけさんですか・・・」


 彼は立ったまま僕をジッと観察している。


「あの~、座りませんか?」


 何だか観察されているのに耐え切れずに席に座る様に促してしまった。


「あっ、そうですね!スイマセン。

 申し遅れましたが、私が先日彼方にメッセージを送った『ミスターK』です。

 突然の申し入れなのにお会いして頂いて有難う御座います」

「いえいえ!」


 その時、店員さんがお冷を持って僕達の席にやって来た。


「あの~、ご注文をお伺い致します!」


 僕は15分前に到着していて、すでにアイスコーヒーを注文して頂いていた。


「彼と同じ物をお願いします!」

「畏まりました、アイスコーヒーで御座いますね」


 店員さんは軽く会釈して、僕達の席から離れて行く。

 僕は彼の言葉を待った。

 彼がどう云う理由で僕にメッセージを送って来て、僕と直接会いたかったかはだいたい予想がついている。

 それは、僕が某web小説サイトにある小説を投稿した事が原因だからだ。

 その小説のタイトルは『リアース戦記 ~鉄壁のルーク~』。

 そう、リアース世界の事を書いた物語だ。


「率直に聞きます!

 彼方が書いたリアース戦記ですが・・・彼方はあの世界の事を覚えていらっしゃるのですね?」


 やはり予想通りの答えだったか。


「勿論です!そう云う彼方もそうですよね?」

「ハイ、その通りです!」


 やっぱり居たんだ。

 僕と同じ様にリアース世界の記憶を持った人が。

 父さんと母さんの予想通りだっだ。

 この世界とリアース世界は何らかの形で繋がっているんだ。


「正直、この物語を読んで驚きました。

 私が持つこの変な記憶と似た様な話が書かれているのですから。

 改めてこの記憶が妄想ではないと分かって、嬉しくて・・・」

「そう言って頂けると僕も嬉しいです。

 この物語はリアース世界の記憶を持つ人達へのメッセージでもあったのですから」

「そうだったんですか!

 あの失礼ですけど、リアース世界でのお名前は?」

「僕の名はレイク・バニング!

 英雄ルークとアイシャの子だった者です」

「え!?ルークとアイシャの子!

 この物語の最後に出て来るあのレイクご自身?」

「そうです!」

「まさかルークとアイシャの子に会うだなんて・・・」


 この反応!

 父さんと母さんを知っている口ぶりだなぁ。


「あの~、その口ぶりだと彼方は両親の事を知っていたのですか?」

「えぇ、私のリアース世界での名はケビンです!」


 え!?


「ケ・ケビンって・・・」

「そうです!彼方の父であるルークの親友、ニコルの兄、あのゾアスパイダーとの戦いで命を落としたケビンです」

「何て云う運命の悪戯なんだ・・・嫌、奇跡と言った方が良いのか・・・」

「そうですね!これは奇跡なんでしょうねきっと・・・」


 沈黙が流れる。

 お互いに思う所があるのであろう。


「ニコルは・・・あの後のニコルは幸せだったか?」


 沈黙を破ったのはミスターKさんの方だった。

 親しみが出て来たのか敬語がなくなった。


「ハイ、ニコルおば様は幸せだったと思いますよ。

 レミオンおじ様と何時も仲が良くて、1男3女と子宝にも恵まれて、笑顔が絶えない人でした」

「そうか、幸せだったか・・・良かった・・・」

「ちなみに長女のエリーは僕の妻でした。

 だから、彼方はリアース世界では僕の義理のおじさんになるんですよ」

「へ!?俺が義理のおじさんだって?」

「ハハハハハ、そうなんですよ!」

「こりゃ、参ったなぁ!」

「アハハハハ!」

「ルークやアイシャはどうだった?この物語の後も、勿論幸せだったんだろ?」

「えぇ、勿論幸せでしたよ。羨ましいぐらいにね。

 父は66歳の時に流行り病で亡くなりました。

 母は父が亡くなった翌日、父の傍らで手を握りながら眠る様に後を追いました・・・」

「最後までラブラブだったのか・・・」

「えぇ、子供の私達が焼けるほど本当に最後までラブラブでした・・・」


 この後もリアース世界の事を話し、大いに盛り上がった。

 気が付けば、すでに2時間ほど話し込んでしまっていた。

 そして別れ際、喫茶店の外で・・・


「そう言えば、お互いに本名は名乗っていなかったな。

 俺の名は村田剛、印刷会社に勤める23歳のサラリーマンさ」

「僕の名は稲葉幸太郎、北○道大学に通う3回生の21歳です」

「大学生か、羨ましいな!

 ん!?稲葉!稲葉って確か・・・」

「えぇ、ご想像通り、父ルークの転生前の家系の稲葉です。

 父の兄だった稲葉大佑が僕のお爺さんになります」

「へぇ~、それは又運命と云うか・・・」

「そうですね!」

「幸太郎、その・・・俺と、俺と友達になってくれないか?」


 剛さんは右手を出して、照れながら握手を求めて来る。


「よ・喜んで!」


 僕はその右手に答えて強く握手をする。


(父さん、何か凄く不思議な感じがするよ!

 父さんの親友だったケビンさんと僕は友達になったんだよ。

 僕も父さん達の様に親友になれるかな?)


 僕は天に向かって父さんに語り掛けていた・・・


あとがき


 最後まで『リアース戦記 ~鉄壁のルーク~』にお付き合いして頂きました方々、誠に有難う御座いましたm(_ _)m

 誤字脱字、乏しい文章力、お読み頂いた皆様にはご迷惑をお掛けしたと思いますが、何とか当初の予定していた分を無事に最後まで書き上げる事が出来ました。

 当初の予定していた分と書きましたが、実は物語の続編的なお話の構想はすでにあります。

 今後、もしかしたら続編や短編を手掛ける事があるかもしれません。

 その時は又お付き合い頂ければ嬉しく思います。


 平成30年3月30日 ナナすけ


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