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リアース戦記 ~鉄壁のルーク~  作者: ナナすけ
聖龍継承の章
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第175話:天下一精霊武術大会15 閉会式

 リアース歴3238年 大母神テーラ感謝祭5日目 15時。

 ザーン闘技場にて・・・


 試合が全て終わり、これから閉会式が始まるところです。

 今日試合をした4人の選手はザーン闘技場の試合場の真ん中で横一線に並び、左膝を地に着け右手は胸に左手は後ろにして頭を垂れています。

 俺達の前には慌ただしく設置された大きな台があり、10人ほどのお偉いさんが乗っております。

 そして、俺達の目の前には台の上から俺達を見下ろしている国王陛下が立っています。


「優勝者、氷虎騎士団代表ベルモンド・クユ殿!」

「ハっ!」

「「「「ウワァ~~~!」」」」


 進行役である宰相のバート・ロンメル公爵様から名を呼ばれたベルモンド・クユさんが立ち上がり一歩前へ出る。

 氷虎騎士団団長だけあって威厳があり、氷の術と片手剣を上手く組み合した戦い方は素晴らしいの一言に尽きる。


「続いて準優勝、ムーア侯爵家代表ナナシ殿!」

「ハっ!」

「「「「ウワァ~~~!」」」」


 名を呼ばれた父さんは、ベルモンドさんと同じ様に立ち上がり一歩前へ出る。

 父さんはベルモンドさんとの決勝戦で後一歩のところまで追いつめたのだが、残念ながら惜敗してしまった。

 父さんの土の精霊術とシャムシールの双剣の戦い方は、俺が目指す戦い方そのものであった。

 やはり俺の目標は父さんだ。

 これからも父さんの背中を目標にして追い続け、そして何時かは追い越してやる。

 俺はそう強く誓った。


「続いて3位、英雄ルーク殿!並びに王都騎士団代表スレッガー・ローク殿!」

「ハ・ハイ!」

「ハっ!」

「「「「ウワァ~~~!」」」」


 名を呼ばれた俺とスレッガーさんは合わせる様にして一緒に立ち上がり一歩前へ出る。

 4人全員の名が告げられると地鳴りのような拍手と歓声が上がる。

 俺達4人は拍手と歓声のお礼のために観客席に向けて笑顔で手を振る。

 誇らしいんだけど恥ずかしいです。


「オホンっ、皆さん静粛に!どうか静粛にお願い致します。

 これから国王陛下よりお言葉を頂きます」

「「「「皆、静かに~!国王陛下からのお言葉があります」」」」


 宰相は大声を張り上げながら両手を上げ交互に手を振る。

 それを見て警備をしていた王都騎士団達から一斉に静かにする様にと声を上がる。

 ザーン闘技場は一瞬にして水をうった様に静まり返った。


「準決勝、決勝と素晴らしき戦いをした4人よ、其方達の見事な武術・精霊術に対して、この場に居る者達を代表して礼を言わせて頂く。

 強者達よ、有難う!」

「「「「ハっ!」」」」


 俺達4人は一斉に声を上げ頭を垂れる。


「ベルモンドよ、其方の積年の願いであった優勝が出来て良かったな。おめでとう!」

「陛下、有難う御座います!」

「これからも氷虎騎士団団長として西の守りを頼むぞ」

「ハっ!西の国境は我が氷虎騎士団にお任せ下さいませ」

「うむ!続いて準優勝ナナシよ」

「ハハァ~!」


 父さんの番か。

 父さんガチガチじゃないか。

 まぁ、俺も父さんの事言えないけどさ。


「其方の土の精霊術と双剣は見事であった!」

「有難きお言葉!」

「其方、その隣りにおる英雄殿の父親であるとは誠の事であるか?」


 げっ!その話をここで振って来ちゃいますか陛下。


「どうやらその様で御座います・・・」

「ウ~ン、どうもハッキリとしない返事じゃな」

「申し訳御座いません陛下!

 実は、私は第5次ルザク戦役以前の記憶がないので御座います」

「何と!戦以前の記憶がないとな」

「ハイ!戦で死にかけた事が原因と思われます。

 ですので私の方からは英雄殿の父親と云う事は分からないのですが、英雄殿が言うには私の顔・声・剣・土の精霊術などから父親である事が間違いないと・・・」

「なるほどの、そうであったか!

 事情はあい分かった。無理に聞いて済まなかったの」

「いえ、陛下のお心遣い誠に有難う御座います」

「うむ!次に・・・」


 次は俺かな?

 緊張する~。


「スレッガーよ!」

「ハっ!」


 あら!?俺じゃないのかよ。


「王都騎士団副団長として見事な戦い方であった!」

「有難う御座います陛下!」

「これからも王太子であるエリオットと騎士団長を支えて、王都のためにリの国のために働いてくれい」

「お任せください陛下!」

「うむ!期待しておるぞ」

「ハハァ~!」

「最後に英雄殿よ!」


 お・俺の番が来たか。

 緊張するぜ!


「流石、英雄と言われるだけ見事な戦い振りであった・・・最後は、まぁ、笑わして貰ったがの」

「あっ、その、申し訳御座いません!」


 うへ~、恥ずかしいよ~。

 穴があったら入りてぇ。


「な~に謝る必要はないわ。若いのだからあれぐらい愛嬌がある方が可愛げがあるもんだ」

「あ・有難きお言葉!」


 返事これで合ってる?

 だって、どう言って良いか分かんねぇんだもん。


「しかし、その若さでその強さ、ただただ感心するわい!

 エルリックから受け継いだ『祖国の盾』として、これからも頼むぞ!」

「ハハァ!私に出来る限りの事は・・・」

「うむ!で、其方の爵位の受勲式に移る前に、先にいろいろと聞きたい事があるのだが良いか?」

「ハ・ハイ?」


 へ!?

 これで終わりじゃないの?

 いろいろって何なのよ?

 何なのよ~~~!


次回『第176話:聖龍継承』をお楽しみに~^^ノ

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