第156話:騒がしき人達
リアース歴3237年 12の月29日15時前。
首都ザーンのエターナのご老公の別宅邸にて・・・
「申し訳ない鉄壁殿!どうか許してくれ」
「もう、本当に死ぬかよ思ったんですからねフィンさん!」
「本当に申し訳ない!」
昇天し掛けた俺の魂は、バーンがノインさんに抱き着いた事により、ギリギリの所で助けられたであった。
グッジョブだバーン!
お前は父様の命の恩人だぜ。
「このお姉ちゃんのおっぱい、母様みたいに大きくてフッカフカ~!」
「アンっ!そんなに顔をグリグリされたら、お姉さん困っちゃうわ」
ムムムムムっ、なんて羨ましい事を!
愛らしい子供の立場を上手く利用しよってからに。
俺も顔を埋めてぇ~。
「な・なななな・なんなのだあのガキは?」
「俺とアイシャの養い子ですけど、それが何か?」
「なんだと!あのエロガキが・・・嫌、済まない」
「ハハハハハっ!子供のする事ですから、どうかご勘弁して下さい」
「グヌヌヌヌっ、わ・分かった!」
ウケケケケ!
赤い涙を流しておりますねフィンさん。
これで先ほどの首絞めの件はチャラにしてあげますよ。
「でも、やっぱり母様のおっぱいが1番だぁ!」
「アンっ!こらダメでしょ」
「そこをどけエロガキがぁ~!母様の乳神様は俺のものだと何時も言っておるだろうが~」
「違うもん!母様の乳神様は僕のだもん。アッカンベェーだ!」
「ムキーーー!このエロガキが~」
「鉄壁殿、押さえて押さえて!所詮、子供のする事ですから」
「後生じゃ~!離してくれ~~~」
暴れる俺はフィンさんとズラビスに押さえられる。
クソ~、先ほどまで赤い涙を流していたフィンさんの目がやけに嬉しそうだ。
悔しい~~~!
今度は俺が赤い涙を流す羽目になってしまったのであった・・・
「兄さんは相変わらず騒がしいですねぇ」
「お前だけには言われたくないわ!」
何時も騒ぎとなる元凶のお前だけには言われたいないよ。
こいつは又、師匠から抜け出して来たなぁ。
しっかりと修行しろよなぁ。
「僕の胸で良ければ何時でも触らせて上げるのに」
「お・大きなお世話だ!」
「随分とお綺麗な方ですなぁ。鉄壁殿の妹御で御座いますかな?」
「本当に綺麗ですなぁ。エルフ族にも引けを取らない美しさだ」
ジークを見て、綺麗だと褒めだすズラビスとフィンさん。
ジークの本当の正体を見破れないとは、君達もまだまだだね。
「あっ、申し遅れました!僕の名はジーク、兄さんの義妹「義弟だ!」」
「「えっ!」」
「義妹「義弟だ!」」
俺と睨み合うジーク。
てめぇ、義妹だなんて絶対言わせないからな。
「鉄壁殿、これはどう云う事ですかな?」
困惑したズラビスが俺に尋ねる。
「こいつは男だよ!俺の義弟だ」
「えっ!ウソですよね?」
「エルフの女性並に綺麗な方が男だと?」
「ジークちゃんは本当に男の子よ!ちょっと変わった子だけど」
「その綺麗なお兄さんにはチン〇ンが付いているよ!」
ピー!只今放送禁止用語が入りました~。
幼子が発した言葉なので、ご覧の皆さんどうかお許し下さい。
それにしても相変わらず見事な突っ込みだアイシャよ。
それにバーンもなかなか見どころがあるぜ。
「オホホホホホ~」
オホホホホ~じゃねぇよバカジーク!
笑って誤魔化しやがって。
あぁ~あ、ズラビスとフィンさんが・・・あっ、ノインさんも目が点になっているよ。
いつもいつも面倒臭い騒ぎを起こしやがって。
「先ほどから何を騒いでいるでござるか?」
ジークが問題起こすから師匠までやって来たじゃないか~。
「主様、少しは静かにして下さい!折角クロード様と愛の語らいをしていたのに」
えっ!俺のせいなの?
これは俺のせいじゃないよ~。
「リン殿、そんな事はしていないでござるよ」
「まぁ、照れちゃって!そんなクロード様も素敵♡」
なにが素敵♡だ、この色ボケ妄想娘め。
「リン!その男から離れるんだ~」
思い出したかの様に急に激高するフィンさん。
血の涙を流したり、嬉しそうにしたり、怒ったりと本当に騒がしい人ですねぇ。
「あぁ~、リンよ!そろそろお前に本当の事を話しておかなければならんな。
師匠はすでに60歳を超えていらっしゃるんだぞ!」
「「「「えっ?」」」」
エターナの関係者以外から一斉に声が上がる。
妹の様な弟や不老不死の様な爺でゴメンなさい。
どうして俺の周りにはこんな変人ばかりなんじゃ~!
「あの~、お取込み中申し訳御座いませんが、英雄様に又お客様がいらっしゃったのですが?」
「又、お客様?」
「ハイ、そうなんですぅ~!」
こんな騒がしい時に又来客かよ。
勘弁してくれ~~~!
次回『第157話:懐かしき人達3』は来週月曜日で~す^^ お楽しみに~^^ノ