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リアース戦記 ~鉄壁のルーク~  作者: ナナすけ
幕間
154/187

第149話:報告2

皆様、お久し振りで御座いますm(_ _)m

忙しい仕事の合間になんとか幕間の2話分を書き上げたので、大晦日と元旦に1話ずつ更新致します^^

 リアース歴3237年10の月28日。

 城塞都市バニングのバニング伯爵執務室にて・・・


「失礼いたします伯爵様!ルザクへ行っているマルタから至急の手紙が届きました」


 燕尾服に蝶ネクタイの似合う男、バニング家の執事オットーが慌ただしくバニング伯爵の執務室入って来た。


「マルタから至急の手紙だと!」

「ハイ!こちらがその手紙で御座います」

「うむ!」


 バニング伯爵はオットーから手紙を受け取り、急いで中身を読む。


 1年以上前からルークの情報を探ろうと必死になっているバニング家であったが、世間で知られている情報以外には目新しい情報は何も得られず、本人に直接聞き出そうとマルタをエターナの町へ再び遣わすも、ルークは旅に出た後であった。

 その後のルークの行方を探させたが足取りは一切掴めず、半ば諦めかけていた時に第6次戦役での彼の活躍を知り、ようやく居所を知る事となる。

 マルタを急ぎルザクに派遣するも、ルークは又しても雲隠れをしてしまった後で、再び行方知れずとなってしまう。

 再び暗雲が立ちこみ始めた様に思った矢先、ルザク市内にルークと親しい人物がいると云う情報を得たマルタは、ルザクに留まりその親しい人物を探した。

 ようやく親しい人物であるズラビスと云う男を見つけ出し、ルークの情報を聞き出そうとするもズラビスは一切口を開かなかった。

 バニング家の名て脅しを掛け様としたが、ズラビスのバックにはルザク伯爵がいたために強引に口を割らせる事は出来なかった。

 マルタはズラビスの所へ日々通い懇願し続けた。

 流石に気の毒に思ったズラビスは、ルーク本人の情報、現在の居所を教える事は出来ないが、いずれ公になる情報で良ければ先に教える事は出来ると云うので、藁にもすがる思いでその情報を教えて貰った。

 マルタが送って来た手紙にはその内容が書かれていたのだ。


『英雄殿は来年開かれる天下一精霊武術大会への参加が正式に決まった。

 爵位の叙勲を嫌がって雲隠れした英雄殿であったが、エターナのご老公の説得で、渋々承諾する事となり、天下一精霊武術大会閉会式と同時に叙勲式を行う。

 受勲を受ける条件として、エターナのご老公の庇護の下、貴族としてのある程度の公務は免除。

 他家が英雄殿への面会を希望する場合は、まずエターナのご老公の了解を得なければならず、勝手に接触を図る事はまかりならぬとの事』


 伯爵はオットーにも分かる様に声を上げて手紙の内容を読んだ。

 そして、一部読み終えた後に怒りを露わにしたのである。


「こ・これでは英雄殿に会えぬと云う事ではないか。

 あのエターナの狸爺め!余計な事をしてくれたわい」

「全くもって!エターナのご老公にしてやられましたなぁ」

「クソ~、せっかく英雄殿の顔が拝めると云うのに接触出来ぬとはのう。

 何か良い策はないものか・・・ん?」

「どう致しました伯爵様?」

「手紙に何やら続きがある様じゃ。今読むからしばし待て」

「あっ、ハイ!」


『上記の内容を教えて頂いた後、あまりの衝撃に私は今後どの様にして英雄殿に接触をしたら良いのか悩んでおりました。

 するとズラビス殿から助言を頂いたのです』


「助言だと!英雄殿の味方が我らに助言をしてくれたと云うのか」

「その様で御座いますね・・・ズラビス・・・何処かで聞いた事のある様な・・・」

「なんだ!其方、そのズラビスとか云う者を知っておるのか?」

「えぇ~と~・・・あっ、情報屋のズラビスか!」

「情報屋のズラビス?」

「ハイ、そうで御座います!裏の情報屋の世界では、名の知れた男で御座います。

 かの者の手に掛かればあらゆる情報が得られるとか云う噂で御座います」

「ほほう、その様な者がおったとはのう!」

「かつて、ラティーナ様の情報がとん挫していた時に、その男を頼ろうとした事が御座いましたが、その男の居所自体が分からず仕舞いだったので・・・」

「なるほどのう、英雄殿の下にはこの様な奴もおるのか・・・ますます興味が出て来るのう」

「そうで御座いますね!」


 伯爵は再び手紙の続きを読み始める。


『ズラビス殿が言うには、上記の内容はあくまでも英雄殿が叙勲を受ける条件としてなので、叙勲を受ける前は上記の内容は適用されない。

 よって、叙勲式の前に勝手に会うならば問題ないと云う事。

 英雄殿に接触したいならば、英雄殿が首都に姿を現してから叙勲式までが勝負!』


「た・確かに言われてみればその通りであるな」

「左様で御座いますね!」

「この者、なかなか頭が切れるのう。ワシの配下に欲しくなって来たわい」

「手配致しましょうか?」

「嫌、今はまだ良い!今は英雄殿が先だ」

「確かに!」

「オットーよ。至急、首都へ向かう準備だ!明後日には出るぞ」

「ハイ、直ちに!」

「首都で英雄殿を待ち構えて、必ず接触を果たすぞ。良いな!」

「御意!」


 バニング家は、ルーク接触に向けて本格的に動き出した。

 ルークの知らぬ所で、何かが動き始めようとしていた・・・


次回「第150話:首都を目指す者達」をお楽しみに~

では良いお年をお迎えください~^^ノ

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