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リアース戦記 ~鉄壁のルーク~  作者: ナナすけ
盾の継承の章
123/187

第120話:拉致

リアース歴3237年 3の月1日10時半。 


「各々方、ぬかりなく!」

「分かったわ!」

「ハイ!」

「キュ!」

「「「おぉ!」」」


 俺の掛け声に、アイシャ、リン、イナリ、フィンさん、ノインさん、ノエルさんが返事をする。

 フフフフフっ!真〇丸の草○正雄さんが言っていた名台詞。

『各々方、抜かりなく』く~、この言葉言ってみたかったんだよなぁ。

 皆がそれぞれ動き出した。

 おっと、俺も何時までも呆けている暇はないや。


 ダークエルフ達4人は身を隠しながら散って行った。

 それぞれ指定していた位置に向かって行ったのだ。

 俺とアイシャとイナリも身を伏せながら目標の敵兵達が居る所まで近づく。

 皆が動き出して10分。

 俺は、敵の50m近くまで来ていた。


(こ・これは・・・)


 俺が目にしたのは膨大な補給物資だった。

 ここは後方の補給基地と云う訳だ。


「アイシャ、そろそろ良いよ!」

「分かったわ!」


 アイシャは弓を構えて矢を放った。

 矢は綺麗な弧を描きながら、敵兵達の真ん中に落ちる。

 矢が地面に落ちるとそこから白い粉が周りに散って行く。

 それを合図に至る所で同じ様な白い粉が漂い出す。


「うっ!何だこれは?」

「どうなっている?」

「うわ!身体が痺れる」

「「「助けてくれ~!」」」


 白い粉の正体は痺れ薬だ。

 100名ほどの敵兵がいる辺り一面に痺れ薬を撒いたのだ。


「よし、第1段階成功だ!」


 俺達は痺れ薬を吸い込まない様に鼻のと口に布を当てて、注意しながら敵兵に近付く。

 金ぴかの鎧を着た人が馬から転げ落ちた。

 この金ぴかの鎧を着た人こそが我々のターゲットだ。

 黒い服に包まれたダークエルフ4人が戻って来た。

 その姿はまるで忍者そのものである。


「さぁ、こいつを縛り上げよう!それとここの補給物資に火を放ってからずらかる!」

「「「「了解!」」」」


 体格の良いフィンさんとノエルさんがナの国のお偉いさんのご子息を縛り上げ、アイシャとリン、イナリ、ノインさんは物資に火を放つ。

 その間に俺は馬型鉄人君1号2号を呼び、ずらかる準備をする。


「貴様ら~!卑怯な真似を~」

「卑怯で結構!彼方様はナの国の大公のご子息様でいらっしゃいますよね?」

「その通りだ!私はマンセル・ナ・ハンブルである。丁重いに扱い給え」

「それだけ聞けが充分!後は黙っていてね」


 俺は鞘に入ったままの脇差でマンセルの頭をポカっと1発叩く。

 マンセルはその1撃で気絶をする。

 フフフフフっ!師匠直伝の必殺気絶の1撃さ。


「よし、縛り上げたぞ!」

「こっちも火を放ち終えたわよ!」


 その言葉と同時に1号2号に皆が飛び乗る。


「フィン様、以外と簡単に事が運びましたね!」

「そ・そうだな!」


 ここまではアッサリと成功してしまっているので、少し拍子抜けのフィンさんとノエルさん。

 でも、問題はここからなんですよ。

 追ってから上手く逃げ切れるかどうかが問題なんです。


「さぁ、話していないで急いでずらかろう!」

「「「「おぉ!」」」」


 俺達はそれぞれ1号2号にまたがり、この場からずらかる。


「フィンさん達が先行して下さい!私とアイシャで追ってからの攻撃を防ぎます」

「心得た!北へ迂回しながら進めば良いのだな?」

「ハイ!」


 1号2号は全速力で駆ける。


「追え~!マンセル様を救い出すんだ~」

「「「「おぉ~!」」」」


 馬に乗った敵兵が早速追いかけて来た。

 クソ!もう勘付いちゃったか。


「出でよ壁!『ウォール!』」


 俺達と敵兵の間に土壁を立ち上げる。

 これで若干の間は時間が稼げるかな?

 しかし、新手がやって来た。

 チっ、やはりそう簡単には逃がしてくれないか。

 俺がウォールの術で敵兵の行く手を阻むが、その横から新手が現れる。

 そんな事を数度繰り替えていると、敵兵から弓が飛んで来た。

 オイ、マジかよ!

 お偉いさんにでも当たったらどうする気だ?


「ここは私に任せて!」


 今まで弓で応戦していたアイシャが何やら精霊術を唱えだした。


「風を愛する風の精霊達よ!我の願いを聞き届け、風なる力を我に与え給え!

 風の障壁にて我らを守り給え!『ウィンドバリアー』」


 アイシャが天に伸ばした左手の先から何やら半透明っぽい丸い盾の様な物が展開する。

 大きさにして直径3mくらいであろうか。

 飛んで来た矢がその盾、嫌、障壁と言った方が良いかな。

 飛んで来た矢が障壁によって弾かれて行く。

 うん、まさにバリアーそのものだね。

 アイシャがこんな隠しワザを開発していたとは知らなかったな。


「飛んで来る矢は私が何とか食い止めるわ。

 だから貴方は追って来る馬の方に集中して!」

「分かったアイシャ!」


 アイシャのお陰で何とか逃げ切れそうだ。

 俺達はひたすら逃げるのであった・・・


次回『第121話:第6次ルザク戦役1』をお楽しみに~^^ノ

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