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リアース戦記 ~鉄壁のルーク~  作者: ナナすけ
盾の継承の章
119/187

第116話:金の亡者

 リアース歴3237年 2の月19日16時半。


 マナの洞窟の遺跡の事を調べに来た俺達であったが、遺跡の事は空振りで残念だった。

 だが、偶然にも名将エルリックに前世の記憶があると云う衝撃的な真実を知ってしまった俺達なのであった。


「ご老公様は、若い頃にはお前達の同じ様にここの遺跡の事や他にもいろいろな事を調べておられたそうだよ」

「エルリック様も・・・」

「あぁ、ワシは若い頃からあの方の武具を面倒見て来たからのう。

 たまに一緒に酒を酌み交わすこともあっての。

 酔った時にはその話をよくしていたもんじゃ」

「エルリック様とは親密な関係だったんですねぇ」

「あぁ、そうじゃよ!」

「あの~、でしたらエルリック様に1度お会い出来る様に計らって貰ってもよろしいですかね?」


 これはチャンスだ!

 エルリック様の同じ様に調べていたのなら、何か知っておられるかもしれない。


「おぉ、構わんよ!」

「レントラ様、そんな気安くお受けなってよろしいのですか?」

「構わんて!ご老公様の方も英雄殿や奥方にも会いたいはずじゃて」

「本当に大丈夫なんですかねぇ?」

「アインは、本当に心配性だなぁ。大丈夫じゃよ」


 こうして俺達はレントラさんの紹介で名将エルリックに会える事になった・・・たぶん。

 この爺さんの云う事、ちょっと心配なんだよなぁ。

 ドタキャンだけは勘弁してね。


 話が終わると、レントラさんとアインさんはミスリル鉱石の回収を始めた。

 当初は、ミスリル鉱石を掘るつもりであったが、目の前にミスリルゴーレムが砕けた鉱石が転がっている。

 ワザワザ掘り起こさなくても手に入るので、手間が省けてラッキーと言っていた。


「ねぇ、レントラさん。ミスリル鉱石ってレアな鉱石なんだよね?」

「ん!そうじゃよ」

「もしかしてかなり高額で売買される?」

「勿論じゃて!」


 ほほう!


「ちなみにどれくらい?」

「ん~、今じゃと1㎏で金貨3枚(日本円で30万くらい)かのう」

「え!そんなに?」

「それは本当ですかレントラさん?」


 アイシャがレントラさんに詰め寄り、胸倉を掴む。

 うわ~、瞳に金金金の文字が見える様だわ~。

 何時から金の亡者になったんだ愛する妻よ。

 ハンナ師匠とダブって見えるわ~。


「おおう、本当じゃて!」

「貴方!リンちゃん!持てるだけ持って帰るわよ」


 ウェ~ン!俺のアイシャがエターナの聖女から今度はエターナの金の亡者になっちゃったよ~。

 でも、持てるだっけって言われても・・・

 あっ、そうだ!

 俺は閃いた。

 ムフフフフ!これは名案だぞ~。


「新しき従者よ出でよ!『ゴーレム!』」


 目の前に2mほどの鉄人君が2体生成される。

 そう、ミスリルで出来た鉄人君1号2号だ。

 これを持ち帰って売れば・・・ウヒョヒョヒョ!


「あ・貴方!」


 どうやら俺の考える事が分かったみたいだねアイシャ。

 俺は頷く。


「あぁ、貴方は何て素敵なのかしら!流石、私の旦那様よ」


 アイシャが俺に抱き着いて来る。

 ウホ!乳神様の弾力に弾き返されそうっす。

 鉄人君1体で、たぶん150~200㎏くらいはあるはずだ。

 1体だけでも金貨500枚前後にはなるだろう。

 ワ~~~ッハッハッハッハ!

 これで大金持ちじゃ~。

 まぁ、売るのは1体だけにしておいて、もう1体は俺達の守護神として身を護って貰おう。

 ミスリルゴーレムが盾となってくれれば、頑丈だから大抵の事は防いでくれるもんね。


「英雄殿、彼方はゴーレムを2体同時に生成出来るのですね?」

「あっ!」


 アインさんとレントラさんに2体同時に生成出来る事がバレちゃった。

 2体同時生成は奥の手として、人前で見せないつもりだったのに。

 テヘ!俺ってうっかりちゃん。


「アインさん、レントラさん、2体同時生成の事はどうかご内密に!」


 俺はミスリル鉱石の塊を二人に渡す。

 そうです!賄賂です。

 2人の視線がとても痛いです・・・


 袋や懐にも沢山のミスリル鉱石をしまい込んだ俺達は、洞窟の外へ出る準備を始める。

 あっ、そうか!

 俺はある事に気付く。


「鉄人君1号2号、騎士達の遺体を運んでやってくれ!」

「「英雄殿・・・」」


 アインさんとレントラさんが俺の顔見る。


「このままじゃ可哀想だからね!外で火葬して上げて連れて帰って上げようよ」

「有難う御座います英雄殿!」

「恩に着るぞい!」


 アインさんが泣きながら俺に抱き着く。

 ギャー!男には抱き着かれたくないっす。

 鉄人君1号が3体、2号が2体の遺体を担ぎ上げる。


「少し雑な運びで申し訳ないけどね!」

「運んで下さるだけでも有難いですよ!」


 俺達は洞窟の出口へと向かって歩き出す。

 途中、蛇や蜘蛛の小物が現れてアイシャがキャーキャー叫んでいたけど、ゴブリンなどは出て来なかったので、苦労なく外に出た。

 あぁ~、外の空気は美味しいや!

 時間は18時を過ぎており、外はすでに薄暗い。

 今夜は、マナの洞窟の入り口で野営して、明日帰る事になった。

 こうして俺達のマナの洞窟探査は終わったのであった・・・


次回『第117話:救出』をお楽しみに~^^ノ

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