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リアース戦記 ~鉄壁のルーク~  作者: ナナすけ
盾の継承の章
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第113話:マナの洞窟

 リアース歴3237年 2の月19日。


 城塞都市ルザクで3日間ゆっくりと休養を取った。

 休養した3日間はアイシャとの久し振りのエッチで、腰が抜けるほど愛し合った。

 休養した最後の日は本当に腰が抜けて情けない姿を晒したのは忘れたい黒歴史だ・・・


 ダリア一家はしばらくここに根を張って地道に稼ぐそうだ。

 真面目に働くのは良い事だよ。

 頑張れズラビス、トンカラ!

 お前達の力量なら大丈夫さ。

 ダリアは、まぁ、又二人におんぶにだっこでグータラしていそうだけど・・・


 マナの洞窟に行った後は又ここに顔出す約束をして、俺達はマナの洞窟へと旅立った。

 オドの村まで9日間かけて街道を逆戻りして、そこからウララ大山脈沿いに獣道を通って南下した。

 道中、下級の魔物に何回も出会ったが、トンカラが作ってくれたミニボウガンの活躍もあって楽な戦いが多かった。

 中距離からの攻撃が出来るのは本当に助かるわぁ。

 俺の屁っぽこ弓術じゃ何の役にも立たないからさ。


 ルザクから19日間の行程でマナの洞窟に無事に到着した。

 洞窟の入り口横には馬車が停まっている。

 馬車に着いている紋章はルザク家のものだ。

 馬車には誰もいない様だし、朱雀騎士団が洞窟の中に居そうだな。

 マナの洞窟の入り口は直径で3mくらいはあるかな?

 俺達は各自松明を準備する。

 さぁ、中へ行ってみようか!


 俺と同じ位の背丈の鉄人君を先頭に、俺とイナリ、アイシャ、リンと云う順で洞窟を進んで行く。

 洞窟内は外よりも若干暖かく、湿度が高そうだ。

 時折、ピチャンと天井から落ちる滴の音でドキっとさせられる。

 奥へ進んで行くとゴブリンや蛇、蜘蛛の死体が至る所にある。

 鼻にツンと来る臭いがする。

 ゴブリンの血の臭いで充満している様だな。


「朱雀騎士団の人達が倒して行ったのかしらね?」


 アイシャが蛇の死体を見ながら俺に聞いて来た。


「たぶん、そうだと思うけど・・・」

「私達は戦わないで先へ進めるんだからラッキーって感じかしらね?」

「まぁ、そうだね!」


 そう言えば、アイシャは蛇が大の苦手だったっけ。

 テレビで蛇が映っただけでも悲鳴を上げていたもんなぁ。

 蛇と戦わなくて良かったね!

 もう1時間くらい歩いたであろうか?

 洞窟の中はどうも時間の感覚が分からなく困るよ。

 突然、イナリの耳が突然ピクピク動いた。


「キュキュキュ!」

(奥の方から声が聞こえて来る!)

「奥の方から声が聞こえて来るとおっしゃっております!」

「分かった!行ってみよう」

「「ハイ!」」

「キュ!」


 俺達は駆け足で奥へと進んで行く。

 すると人間らしき声が聞こえ始めた。

 ただ、洞窟内で反響していて、何を言っているかはイマイチ分からない。


「ギャーーー~~~」

「もう%$&#だぁ~~~」

「%&#でも$&“下さい~~~」

「で・で%~~~」

「良い#$早く~~~」

「わ・分かりました~~~」


 次第に声が聞き取れる様になって来た。

 かなり危険な状況の様だ。

 急がなきゃ!


「オーイ!誰かいますか~?~~~」


 俺の声が反響して何重にも聞こえて来る。


「だ・誰かいるのか?助けてくれぇ!~~~」


 洞窟の先から松明の明かりが見えて来たぞ。


「冒険者の者です!今、行きますよ」

「お願いだ!早く~~」


 姿が見えた!

 トンカラの様にずんぐりむっくりな体系だ。

 ドワーフかな?

 髭を生やしているし、結構なお歳な様にも見える。


「ヒっ、ゴーレム!」


 ドワーフは鉄人君を見て驚く。


「これは私が生成したゴーレムです!襲ったりしませんから大丈夫ですよ」

「そ・そうか!ビックリしたわい」

「いったい何があったんです?」

「奥で騎士の人達が・・・ゴーレムに襲われているんだ!早く助けてやってくれ」

「ゴ・ゴーレム!」

「あぁ、そうだ。早く頼む!」

「分かりました。行くぞ皆!」

「「ハイ!」」

「キュ!」


 俺達は再び奥へ駆け出す。

 そして、広い場所へと出る。

 ここは最下層なのか?

 松明で照らすと、手前に6人の騎士が血だらけで倒れている。


「うっ!」


 アイシャが思わず顔を背ける。

 頭が潰れている者、手足が変な方向に向いていたり、引き千切られている者。

 あまりの惨状に顔を背けたくなるのも分かる。

 全滅かな・・・


「う!うぅ・・・」


 誰か生きている!

 一人微かに動いた者が居た。


「大丈夫か?今、ヒールを掛けるからな。

 傷つけられし者に癒す力を~!『ヒール!』」


 虫の息だった騎士が息を吹き返す。

 目が開いた騎士は俺の顔ではなく、何やら俺の後ろの方を見て驚愕の顔になる。


「あ・貴方!」

「主様!」


 アイシャとリンを見ると2人共騎士と同じ方を見て驚愕な顔をしている。

 俺はそれに釣られて振り返る。

 そこには何やら青白く発光しているかの様な者が立っていた。

 ゴ・ゴーレムか!

 2mくらいの大きなゴーレムが俺達を見下ろして立っている。

 その両手は血で赤く染まっていた・・・


次回『第114話:ゴーレム対ゴーレム』をお楽しみに~^^ノ

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