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思い出の中から

記念日、あるいは第3ヒント

作者: ソラヒト
掲載日:2016/11/22

「思い出の中から」

最後に、神の声でナレーション。と思いましたが、カットしました。


 着信拒否にはなってない。

 受け取り拒否には・・・・・・なってない。

 ということは、まだ完全に嫌われたわけではない。

 ・・・と、思いたい。

 なら、なんで?


 思いつかない。

 おとといからずっと考えているけれど。

 無意識になんかやらかしっちゃったのか?

 いや、そんなことないと思うけど・・・。

 今回は難易度がものすごく高い気がする。

 ヒントがほしい、なんでもいいから。



 3日目。

 みじかいメールがきた。


「第1ヒント。わたしの人生で、すごく大切な日のひとつです。」


 これで少なくとも、何かがあった日。それが原因なのか。

 大切な日、誕生日は全然違うし・・・。



 4日目。

 またみじかいメールがきた。


「ヒントは、3つまでです。」


 3つ、か。

 この難易度で?

 微妙だぞ、大丈夫か、オレ。


「第2ヒント。あなたにだって大切な日、そう思っています。」


 オレにもちろん関係あるんだぞ、と。

 オレが関係している、大切な日。

 ん?

 前にも似たようなことがあったような・・・。

 知らないうちに、誕生日でもない平日に、部屋のカレンダーに、赤い、大きな、花丸はなまるがついていた日。

 その日は、確か・・・。



 5日目のみじかいメール。

 最短の。


「バカ」


 すごくへこんだ。言葉も出ない。

 やや時間をおいて、


「第3ヒント。バカな人に最後のチャンス。これでダメなら、もう知らない。」


 なんかものすごいプレッシャーが・・・バカなオレに分かるんだろうか。


「わたしは、両手で顔を隠して、しゃがみ込んで泣いてしまいました。」


 ・・・バカにも分かった。

 そんなこと、今までに一度しかなかった。


「回答時間、5分以内。」


 予想外の追加メールがきた。


「まちがうなんて思ってないけど、もしまちがったら、わたし、反対の意味で、またしゃがみ込んで泣くから。」


 早く気がついてほしかったのか。

 やっぱり、前にもあったよ、こんなこと。


 1分もしないうちに、きみの番号。

 今度はずいぶんしばらくぶりに、きみの声が聞こえた。


「制限時間まで、まだあります」


「はい」


「大丈夫ですね?」


「たぶん」


「たぶん、って!?・・・切るよ」


「待って待って。正解だと思うよ」


「思うよ? ふん」


「すいません。絶対に正解です」


「本当に?」


「本当に」


 本当に、ちょっと冷や汗。


「では、正解を、どうぞ」


「オレがきみに、告白をした日だ」


「・・・なんて?」


 追加問題。


「『きみが好きです。オレとつきあってください。お願いします』」


 頭を下げたんだったな、と思い出す。


「『どうして、そんなありきたりの言葉なの?』」


 再現問題。


 そう。

 一念発起して、思い切って告白したのに、返ってきたのがその言葉。

 そして、オレは答えた。


「『伝統を重んじるタイプなんだよ、オレは』」


 そのときみたいに、きみは笑った。

 同じように、くすくす笑う声が聞こえた。


「正解、です」



 きみの指示に従って、オレは出かけた。

 そうだ、今くらいの時間だった。


 きみは先に来ていた。

 オレがきみに告白した、その場所に。


素直で、不器用で、駆け引きがまるでへたくそなふたりが、そこにいました。

16/11/21 Mon.

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