第二話
笑顔で挨拶してお店に入った僕を、出迎えたのは年配の女性スタッフさんだった。
「いらっしゃいませ!」
笑顔で近づいてくる年配の女性スタッフさん。
「一名さまですか?」
その言葉に慌てて待ったをかける
確かに今、僕は私服だけども!!
「違います!あの、今日から新しく入ったアルバイトの者なのですが!」
「あら?貴女が店長が言ってた子?ごめんなさい、間違えた…お客かと思って」
年配の女性スタッフさんはそう言って謝罪してくれた。
まあ、そう思っても仕方ないよな…。
「いえ、元々お客として来店してたので…」
「やっぱり!常連だもんね、うちのお店の!」
「はい、居心地いいんですよ、ここ」
「ありがとう、とりあえず服着替えようか」
「はい!」
キッチンの中へ。
入ったらすぐ、ロッカールームがあった。
そこは、ロッカーが四個だけあり、丸椅子と棚には鍋など、大量な物が置かれた畳一畳もない、狭いスペースだった。
「これが貴女の制服、とりあえずロッカーは左から2番目のロッカー使って!他のスタッフも使ってるから共同になるけど、とりあえず着替え終わったら出てきてね」
それだけ言うと扉をピシャリと閉められた。
「あ、鍵はここでかけてね」
かと思ったらまた開いて、言うだけ言ってまた閉めた。
制服を持って立ち尽くす僕――…
「(思ってたより前途多難、かも…?)」
不安が過る、アルバイト初日――…
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