決戦の日曜日
今日は決戦の日 !
もう心に決めている。今日はぜったいに告白してやる!と。
今は午後1時前、あともう少しであの人がやってくる。
穂乃愛「すまん、待ったか?」
来た!今日の勝負の相手。
ちか「お、遅かったわね。で、では行きましょうか。」
穂乃愛「ふっ何緊張してんだよ?」
ちか「ば、バカじゃないの?あんたなんかに緊張なんかするわけ…」
いけないいけない。すぐにツンツンしてしまうのは私の悪い癖だ。
ちか「もぅ、私を待たせてんじゃないわよ…」
穂乃愛「悪かったよ。で、俺なんか連れて、一体どんなことをさせられるんだ?」
そう、これだ。私はこいつと幼い頃からの付き合いで、ずっと一緒に居るはずなのに、こいつはわたしに嫌われているとかおもっている。だからこんな言葉が出てくるのだ。まぁわたしがいつも怒っているような態度をとってるからだけど…
だから!こんなわたしを卒業するの!
素直なわたしになって、穂乃愛に思いを伝えてやる!もう5年も好きでい続けたんだから…
ちか「あんたじゃなきゃいけない場所があるわ。ついてきてくれるかしら…?」
穂乃愛「おう!当たり前だ!」
正直不安だ。いつも怒ってばっかりだから、きっと私は好かれてなんかいない。きっと今も、無理やりについてきているに違いない。
それでも今日はどうしても穂乃愛と行きたいところがあった。それは…
穂乃愛「ここが行きたい所なのか…?」
ちか「ええ、そうよ。」
穂乃愛「ここって水族館…だよな?こんなとこ、俺と来て楽しいのか?」
ちか「た…楽しいに決まってんでしょ、ばか。」
自分でも笑えるくらいの小さい声。いつもツンツンしてる時は大きな声出せるくせに、素直なこと言うとすぐこれだ。
穂乃愛「今、何か言ったか?」
ちか「い、いや!なにも…」
穂乃愛「そうか。」
あぁもう!自分でもイライラする。素直になれ!ちか!
ちか「そ、その…」
穂乃愛「ん?」
ちか「あ、あんたとここにずっときたかったっていうかその…」
穂乃愛「わかってるって!早く入ろうぜ!」
わかってる?絶対分かってない。
全く気付いていない、私の気持ち。
だからこそここに来たのだ。
穂乃愛「で、初めはなにから見るんだ?」
ちか「そうねぇ、」
水族館は色々なコーナーがある。定番なのはやはり、イルカショーだが、まだやっていない。
ちか「イルカショーまで時間があるし、どっかで時間を潰しましょ。」
穂乃愛「なんだ、イルカショーが見たかったのか?」
ちか「えぇ、まあね。それよりあんたはどこ行きたいの?」
穂乃愛「そうだなぁ、飛び魚見に行こうぜ!」
ちか「そうね。そうしましょう。」
それから、水族館を回った。魚にはあまり興味はなかったのだが、穂乃愛と過ごす時間はとても楽しかった。
穂乃愛「どうしたんだ?そんなに緊張して。熱でもあるんじゃねぇか?」
ちか「べ、別に緊張なんかしてないわよ!熱もないし…」
穂乃愛「いや、いいから見せて見ろって。」
穂乃愛の手が私のおでこに当たる。
私はこれまでにないくらい赤面した。
穂乃愛「やっぱりちょっと熱いな。ちょっと休もうぜ。」
ちか「いや、別に休まなくたって平気だって…」
穂乃愛「まあまあいいから、丁度小腹が減ってきた所だしさ。」
これが穂乃愛なりの気遣いなのだ。
だが、その気遣いは、正直嬉しい。
でも、穂乃愛は私以外の女子にもきっと同じ事をする。それがたまらなく悔しかった。
ちか達は近くの喫茶店に向かった。
個人周りした小さな喫茶店。
中には人1人いない。
穂乃愛「すいません。カフェオレ2つください。あ、1つは砂糖少なめで。」
砂糖少なめのカフェオレ
それは私の好きな飲み物だ
ちか「よく私が砂糖少なめのカフェオレが好きなの知ってたわね。」
穂乃愛「そりゃ、ずっと見てたからな。」
ちか「っ…!」
自惚れるな私。どうせ穂乃愛は私以外の子も見ている。私が特別な訳ではない。
穂乃愛「なぁ、今日なんか変じゃないか?」
ちか「変ってなにが?」
穂乃愛「ちかだよ!なんかそわそわしてるっつうか、変に緊張してるっつうか。」
ちか「別に…そわそわなんて…」
いや、ちょっとまて。今ここには2人きり。なぜかここは個室になってるし、告白ならここですればいいんじゃないか?
急に鼓動が早くなる。今にも心臓がはちきれそうだった。
穂乃愛「おい、大丈夫か?なんかすごい汗だぞ?」
ちか「だ、大丈夫よ。いいから。」
穂乃愛「いや、よくねぇって、早く病院に…」
ちか「いいから聞いて!」
無駄に大きな声が出てしまう。
ちか「今日は、その…話があって…」
穂乃愛「は、話って?」
ちか「その…伝えたいことがあるの。私あんたの事…好き…なの…」
言ってしまった。もう後には引けない。
ちか「その…あんたはどうなのよ?私のこと…どう思ってんの?」
穂乃愛「もちろん大好きだ!聞くまでもねぇ、お前のことは5年も前から好きだし、ずっと嫌われてると思ってた。」
ちか「嫌いなわけないでしょ?私も5年前からあんたの事好きだったわよ。」
穂乃愛「そうか!じゃあ付き合おう!」
ちか「そうね!付き合いましょう!」
完結!