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〜人間界〜


昔は欲深く悪魔を信じる人間が多くいたので

どんな悪魔にも需要があったらしいが

人間の科学技術が発達しだすと

悪魔よりも機械の力に頼るようになり

人間たちは悪魔を信じなくなった

…というより悪魔の存在を忘れてしまった

これを悪魔界のバブル崩壊という


そのため悪魔界もやり方をそれまでとは違うやり方に変わったのだ


人間の信仰心や血を代償として

召喚されるときは何の労力もなしに

人間界に行けるのだが

召喚されてない状態で人間界に降りるためには魔力を消費して人間の姿にならなければならない

さらに

人間は昔よりも賢くなっているため

以前より高度な話術が必要となった


そのために悪魔界にも人間界の学校のような施設があり、

そこで人間に変身する魔法を教わったり、

人間の言語(最低でも大学までに4ヶ国語はマスターしなければならない)を学んだり、

人間社会の仕組みについて学んだりする。


一応中学は卒業してたので

変身と2ヶ国語(英語と日本語)話すのはできる

行き先は日本にした

現在の日本は世の中に絶望している人間が多いという話を聞いたからだ



〜人間界 日本 山口県〜

俺はとりあえず学校で習っていたこととの違いがないかを確認するためあたりを見回ってみた


…どうやら、日本の中でも田舎に来てしまったみたいだ

人口は少ないし、近くにレジャー施設もないし、娯楽施設もほぼない

代わりにあるのは山と田んぼだけ


移動したいのも山々だが

日本の通貨は持ち合わせてないし

魔力を使って移動することもできるが移動魔法は魔力を大量に消費してしまい

人間の欲望を叶える魔力がなくなってしまう


(…仕方ない

とりあえずここらへんで魔力を稼ぐか)

そう思いひとまずここらへんで人通りが多いところに来た


…しかし、俺が習っているのは言語と変身能力だけ

どうやって相手から欲望を聞けばいいのか分からない


そんな感じで30分くらいあたりをうろつきながら考えていると

ある男が女の子に近寄っていくのが見えた

「こんにちは!お姉さん今何してるんですか?」

「…え、今仕事終わって帰ろうと思ってて」

「あーそうなんだ!あ、ご飯食べた?」

「いや、まだですけど…」

「良かったら一緒にご飯食べない?

奢るからさ」

「えっ、いやでも…」

「いいからいいから♪」

そう言って少し強引の女の手を引っ張っていった

女も満更ではないようだった


(なるほど、あんな感じで誘えばいいのか)

物は試しに俺もさっきのやつと同じように女に声をかけてみた

「こんにちは!お姉さん、今何して…」

バシッ!!

まだ俺が言い切ってないうちに突然顔面を叩かれた…

「気安く話しかけんな、ブサイク」

そう言われて女は立ち去った


………なぜなんだ

あの女が特殊だったのか?

それとも俺の方に問題があるのか?


それを確認するため

そのあと9回同じようにしてみた


結果は…

10人中

2人は俺が話してる途中でビンタ

3人はガン無視

4人は俺が話してる途中ビンした後に「しね」「喋んな」「気安く話しかけんな」「…キモっ」のどれかを言われた

1人は丁寧に「ごめんなさい。これから用事があるので」と言われた


ほとんどの女が相手にもしないということはどうやら俺に問題があるらしいな


じゃあ何が問題なのか?

それを解明するには同じ人間に聞くのが一番早いと思い

通行人(男)に聞いてみた

「…えーとぶっちゃけ顔だね」

「顔?」

「世の中顔じゃないと言われてるけど君の顔はちょっと半端じゃなくブサイクなんだよね

せめて身だしなみくらいは整えた方がいいと思うよ」

そういって男は去った


見た目か…

鏡で見てみると

頭部の上の部分は毛がなく

ほっぺには人間の睾丸が付いてるような感じで

目は死んだ魚の目

どこからがヒゲでとこからがもみあげか分からないくらい毛が生えている

悪魔の俺からすると完璧にしか思えないのだが

人間にはダメみたいだな…

(仕方ない…この方法は諦めるか)


もう一度変身すればいいと思うかもしれないが俺の残りの魔力では全身を変身させることはできないのだ


それにしても

見た目が許せないだけで

拒絶するとは…

人間の女って怖いな



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