志希、また出禁になる
カードショップで“姫”扱いされたものの、
消臭スプレー全力噴射事件で出禁になった志希。
志希は家で泣いていた。
「……私、姫扱いだったのに……
なんで出禁なの……?」
そこへママが静かに入ってくる。
「志希、泣かないの。
あなたは悪くないわ」
志希は涙目で言う。
「悪いよ!!
消臭スプレーぶちまけたんだよ!!」
ママはコーヒーを一口飲み、静かに言った。
「……ちょっと出かけてくるわ」
志希は顔を上げる。
「え……どこ行くの……?」
ママは微笑むだけで答えない。
「少し、話をしてくるだけよ」
その言い方が妙に静かで、逆に怖かった。
志希は背筋が冷えるのを感じた。
「……ママ……誰と……?」
ママは何も言わず、コートを羽織って家を出ていった。
志希は震えながら呟く。
「……ママって……
どこまで影響力あるの……?」
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その翌日、カードショップに異変が起きる。
志希と弟が店に行くと、店長が青ざめた顔で立っていた。
「えー……本日より当店では……
“入店前に風呂に入ること”を義務化します。
これは本部とも協議した結果でして……
決して……外部からの働きかけでは……ありません……」
常連たちがざわつく。
「えっ!? 風呂義務!?」
「カードショップでそんなルール聞いたことないぞ!?」
店長は震えながら続ける。
「また……志希さんの出禁も……
解除します……」
常連たち:「志希姫、復活……!」
志希は驚く。
「えっ……私、許されたの……?」
弟は小声で言う。
「志希、これ絶対ママの知り合いが動いたやつだろ……」
志希は震える。
「……ママの知り合いって……何者なの……?」
しかし新ルールの運用に問題が発生する。
店長が告げる。
「では皆さん、入店前に“入浴証明”をお願いします」
常連たちがざわつく。
「入浴証明って何!?」
「風呂入った証拠なんてどうやって……」
「志希姫は当然毎日入ってるんですよね?」
志希は固まった。
「……え?」
弟が眉をひそめる。
「志希、お前……まさか……」
志希は目をそらした。
「……2日に1回……」
常連たちの視線が一斉に志希へ向く。
「姫……?」
「まさかの……?」
「風呂ルール作らせた張本人が……?」
店長は震える声で言った。
「志希さん……あなたが一番……ルールに引っかかってます……」
志希は叫ぶ。
「なんで私が!! 私のためのルールじゃなかったの!!?」
弟は冷静に言った。
「いや、お前のせいでできたルールだよ」
そして志希は配信をつける。
「みんな……聞いて……
カードショップに“風呂義務ルール”ができたんだけど……
私……2日に1回しか入ってなくて……
ルールに引っかかった……
なんか……もう……どうしたらいいの……」
コメント欄が爆発する。
「志希、風呂ルールの被害者であり加害者」
「姫が一番風呂入ってないの草」
「ママの圧力で世界が歪む」
「志希、今日も全部失ってる」
「風呂入れ」
志希はふてくされながら言う。
「……風呂は……まぁ……そのうち入るとして……
オリパは毎日が勝負なんだよね」
リスナーは悟った。
志希は今日もブレない。




