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鳥籠の華は皇后選定を乗り切りたいっ! ──呪われた皇帝を救いましょう──  作者: 山咲莉亜
鳥籠の華は皇后選定を乗り切りたいっ! ──呪われた皇帝を救いましょう──

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45 瑞家直系の女性が持つ力

「わたくしひとりでは難しいですが、皆様の力をお借りすれば解呪できるかもしれません」


 姿を消して蓮華の背後にいた霜の名を呼び、自分の隣に座らせる。蓮華だけでなく、愛する式神をも苦しめてしまうのはとても心が痛いが……許してね、と謝罪を込めてふんわりと優しく撫でた。


 『現時点でわたくしの能力を知っているのは家族のみで、これは使い方次第で世界を思うままに操ることもできます。だから何があろうと絶対に、ここにいる人以外に情報を漏らさないと約束してください』


 蓮華の言葉に全員が頷いたことを確認した。必ず強力な式神を生み出せると言われている瑞家の女性。今この世界で最も強力な力を持っているであろう蓮華の能力が初めて明かされるということで、それぞれ緊張しているのが伝わってきた。


「この能力は、言葉にすれば非常に簡単なものなのですよ」


 蓮華は生き物の健康状態を確認できる『鑑定』という能力を持っている。……が、これは一般人と変わらないほどのレベルのものであり、瑞家直系に生まれた女性が持つ能力にしてはあまりにも些末だ。

 ではこれが蓮華の能力のすべてなのか、という問いの答えは当然否になる。


 前提として、この世界ではすべての人間が、自分の使役する式神と同様の能力を使用することができる。能力の数は原則、ひとつのみだ。能力によっては物を消す力と出現させる力、のように対比となるもので複数使える場合もあるが、大きく分けた場合では誰であろうと一種類だけ。それを踏まえた上で────


「わたくしが持っているのは『能力干渉』という力。詳しく言えば、『剥奪・譲渡、借用・貸与』ができます。剥奪と譲渡は死者の能力のみ、または生きている者ならば自身の寿命を一年縮めることで使用可能。寿命が一年以上ある限り、何度でも使える能力になります。誰かから剥奪した能力やわたくしが誰かに譲渡した能力自体には制限がありますが、全体で見た時に使える能力の数や時間などに関する制限は一切ありません」


 そして『借用・貸与』した能力は回数制限はないが、こちらは時間制限があり、強さも半減する。


「今所有している……つまり、誰かから剥奪した能力は全部で二十ほどでしょうか。その半分くらいは瑞領で悪さをした生きている人間から剥奪したので、わたくしが覚えている限りでも十年は寿命が縮んでいることになりますね。譲渡はまだしたことがありません」


 さすがに驚いているようだ。このような能力は耳にしたこともないだろう。ましてや所有者に会ったのなんて蓮華が初めてのはずだ。蓮華自身も、自分の他に同じ能力を持つ者を知らない。きっと『瑞家直系の女性』ほどの特別な存在でもない限り、このレベルの能力は授かれない仕組みになっているのだと思う。そこら中に強力な能力者がいれば国はたちまち混乱に陥る。その点、皇家に忠誠を誓っている瑞家ならば強くても比較的安全なのではないだろうか。


「黒曜様の呪いを解呪できるとすれば、わたくしの『剥奪』くらいだと考えています」


 どうかお三方の能力を、わたくしに預けてはいただけないでしょうか。誠意を見せるべく目を伏せ、深々と頭を下げる。これは蓮華の信用問題だろう。信用されていなければ能力が奪われたまま返ってこないことを恐れ、考えるまでもなく断るはずだ。あるいは黒曜のためならば使わせてもらえるだろうか……

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