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鳥籠の華は皇后選定を乗り切りたいっ! ──呪われた皇帝を救いましょう──  作者: 山咲莉亜
鳥籠の華は皇后選定を乗り切りたいっ! ──呪われた皇帝を救いましょう──

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42 先帝と芙蓉の母

 深呼吸、したけれど。自分で思っていた以上にこの件は辛かったらしく、蓮華自身も聞いたことがないくらいに悲痛な声で訴えてしまった。


 貴妃である以上、人前で取り乱すなど言語道断。他人に弱みを握らせるわけにはいかない。だというのにこの体たらく。それでも少し潤んだ目のまま睨みつけていれば、隣に座っていた雪璃が『貴妃としてはアウトですが、友人としては正解だと思いましてよ』とそっぽを向きながら慰めてくれる。その素直ではない言葉に思わず笑みが溢れる。やはり彼女は優しいのだ。最初からずっと知っていた。


「芙蓉様。お姉様のお言葉、認めるのですか」

「認める認めない以前に、ここまで言われてしまったら言い逃れできませんわ。おっしゃる通り、華黒曜様に呪いをかけたのはこの私です」

「なぜそのようなことを?」


 嫌悪感を隠すことなく尋ねる雪璃に、昔の話になりますが、と前置きをした芙蓉はぽつぽつと語りだした。


 芙蓉の母は先代の四夫人のひとりだったそうだ。だがある日突然、公に何の説明もなく後宮を追放されたとのこと。そんな母は芙蓉の父と結婚したが、心労が(たた)って体を壊したらしい。結果、彼女は芙蓉が幼い頃に亡くなった。先帝が母を後宮から追放しなければこのようなことにはならなかったはずだ。なのに母を愛していたはずの父は悲しみはしても、すぐに何事もなかったかのように仕事命になったのだと語られる。

 だから芙蓉は父の代わりに自分が、すでに亡くなってしまっている先帝の実子、黒曜を殺そうとしたらしい。同じ後宮の妃の実子でありながら、一方は両親に恵まれのうのうと生き、もう一方は母を失った苦しみに藻掻いて。なぜ自身の母を殺したも同然の男の血を引く黒曜の方が、芙蓉よりも幸せそうに生きているのか、と。


「仮にあなたの母君の死因がすべて先帝陛下にあったとして、華黒曜様はあなた方に直接何かしましたの?」

「……いいえ。ですが、」

「ですが、ではありません。では芙蓉様、母君が後宮から追放された理由をご存知でしょうか?」


 蓮華は知っている。聞いておいて何だが、芙蓉の母が追放された理由は華家の父子、芙蓉の両親、そして蓮華と蓮華の父にしか伝えられていないはずだ。蓮華は入内前、また同じようなことが繰り返されるかもしれないから気を付けるように、と父から教えてもらった。

 しかしこれは蓮華の口から話して良いことなのか、と迷っていればちょうどその時、廊下から二人分の足音がした。きっと黒曜と黎邦だ。そう思った直後、一声掛けて顔を見せたのはやはり『国内最高峰の美貌』を持つ男とその側近だった。

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