24 下賜
彼女達には有益な情報を教えてもらったが、もしも二人が他の妃の派閥だった場合は間違いなく嘘になる。自分で調べるのでもいいが、情報は少しでも新鮮な方が良い。何とか確認する方法はないかと考えた時、いい考えが浮かんだ。
「────お二人とも、能力を教えていただくことは可能ですか?」
「能力、ですか……? 私は淑妃様と同じ『強化』です」
「私は『鑑定』ですね。例えば誰かが嘘を吐いていたとして、能力を使えばそれが分かる、というものです」
『鑑定』について説明したのは紅色の衣を着た妃だ。同じ名前の能力でも、生き物の健康状態を見ることのできる蓮華のものとは違うらしい。
彼女の言葉を聞いた蓮華は、傍から見れば物珍しそうな表情をしているだろう。内心では『能力で真実か嘘か見抜ける』か……、とその能力についてあらゆるパターンの検証をしているのだが。
「…………」
「あの……?」
「へぇ……」
「貴妃様? ……ず、瑞蓮華様?」
二人の妃の言葉は『真実』らしい。嘘偽りなく、すべて善意での情報提供。よく見れば、彼女達は二人とも『薄紅』と同系色の衣装だ。
「あら、ごめんあそばせ。ひとつお聞きしたいのですが、あなた方は誰の派閥の者ですか? 怒ったりしないので正直に答えていただけると助かります」
「それはもちろん貴妃様です!」
「同じく。私はかなり末端ですが瑞の分家でもありますし」
「やはり……ありがとうございます。長時間拘束してしまってごめんなさいね。これはささやかですが、情報提供のお礼ですわ。こっそり使いなさいね」
これほど協力的な味方は中々いない。多くの者は他の四夫人を恐れてこのような情報を落とすことはないに等しいので、とても助かる存在だ。
礼だと言って蓮華が身に着けていた簪を一本ずつ、二人の髪に刺す。シンプルな装飾の物なので貴妃から下賜されたとは思われないだろうが、念のため注意はしておく。
「ではまた。今度お会いする時までには名前を覚えておきますね。ごきげんよう」
「え……ええっ!?」
「貴妃様……!?」
困惑しているのをあえて放置し、春麗宮の方へ身を翻す。背後から聞こえてくる歓喜や困惑が混ざった悲鳴にふふっ、と楽し気な表情を見せた蓮華は、機嫌よくその場を去って行った。
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