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鳥籠の華は皇后選定を乗り切りたいっ! ──呪われた皇帝を救いましょう──  作者: 山咲莉亜
鳥籠の華は皇后選定を乗り切りたいっ! ──呪われた皇帝を救いましょう──

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22 行動開始!

「────霜。話は聞いていたわよね? お仕事を頼むわ。誰にも気付かれないように四夫人のことを調べて。九嬪以下の情報はひとまず不要だけど、何かあれば教えてほしいわ」

『それならば能力を使った方が効率が良いな?』

「ええ。調査を頼んだけれど、あなたは能力を使いながら四夫人の傍を散歩してるだけでいい。姿を消していればわたくし以外から見えないでしょう? わたくしは得た情報をまとめるために春麗宮に残るわ」


 式神とその主人はあらゆるものを共有している。それは能力を使用することで得た情報も同じだ。気になる情報はすべてメモしていき、途中でそれらしい情報が聞こえたらそれだけに集中してもらう。皇后選定はまだ始まったばかりなのだ。調査する時間は充分にある。


『承知した』

「よろしくね。ところで霜、黒曜様について呪いとは別で気になることがあったのだけど……昔と同じくらい喋っていた気がするのよね」


 蓮華の入内で出迎えに来てくれた時、昨日の宴で妃や重鎮に話しかけられた時、日中のお茶会で顔を出した時。これらのタイミングでは心配になるほど口数が減っていたのだが、先ほどはそうでもなかったように思えた。それは蓮華に気を許してくれているのか、それともそもそもの前提が間違っており、黒曜の口数が減っていたのは公的な場で周囲の目を気にしなければならない立場だったからなのか。


『我が思うに、黒曜の元の性格は変わっていないのではないか? 意識して何かを抑え込んでいるように見える』

「……やっぱり分からないわ。いえ、他人の心の内なんて分からないのが普通なのだけど。……考えても仕方なさそうね。今度直接聞いてみようかしら」


 たった数年、されど数年、というやつだろうか。人が変わるには充分すぎるほどの時間だ。無口無表情、という何を考えているのかが分からない状態だと政治的には都合がいい面もあるのだろうが、それでも心配はしてしまう。恐らく他の黒曜を慕う者も同じだろう。


「恐らくだけど、他の四夫人はまだ動き出してないわよね。わたくしと同じでちょうど動き出す頃かしら?」


 皇后選定の内容は『皇帝陛下の呪いについて』。具体的なことを言われていない以上、解呪に近付けるなら何でも良いのだろう。黎邦もそのようなことを言っていた。


「芙蓉様に夢鈴様、雪璃様。あのお三方がそれぞれどのような行動を取られるのかも気になるわ」


 蓮華に言わせれば、現時点で皇后に最も相応しいと思う『性格』の持ち主は淑妃の芙蓉だ。能力、という視点においても彼女は皇后の有力候補だろう。しかし土壇場で皇帝を一番に考えた行動ができるかは、このような選定を通さなければ分からない。


「どちらかと言えば、わたくしは黒曜様の皇后候補になるよりも審判者に選ばれた方が良かったかもしれないわね」

『蓮華に審判者など務まらないと思うが』

「そっ……そんなことはない、はず……」


 たぶん。きっと。何か言いたげな霜は、そのように思う理由を頭の中で並べていることだろう。そして蓮華も、恐らくは同じようなことを考えているが……

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