表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鳥籠の華は皇后選定を乗り切りたいっ! ──呪われた皇帝を救いましょう──  作者: 山咲莉亜
鳥籠の華は皇后選定を乗り切りたいっ! ──呪われた皇帝を救いましょう──

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/44

1 入内命令

新作、『鳥籠の華は皇后選定を乗り切りたいっ! ──呪われた皇帝を救いましょう──』になります! お楽しみいただけますように!

 とある田舎のお屋敷にて、先日十八歳になったばかりの瑞蓮華(ずいれんか)は呆れた顔の両親と兄に反抗していた。それもそのはず、蓮華が最も嫌うことを強いられているのだ。


「なぜその場でお断りしてくださらなかったのですか!? わたくしに四夫人など務まりませんのに!」

「言っただろう、皇帝陛下直々に下された命令だ。臣下である私達に拒否権はない」

「それに、子供の頃から伝えていましたよ。我々の血筋に生まれた女性は必ず強力な式神を生み出せるから、国の発展や反乱防止、そしてこれからも皇家との良好な関係を保ち続けるためにいつか入内(じゅだい)しなければならないのだと。成人まで待っていただけただけありがたいと思いなさい」


 それともしきたりに背き、誇り高き瑞家の名に泥を塗るつもりですか? と先ほどよりも冷たい空気を纏った母が言う。瑞家の当主夫人である母は優しいが、同時に決まりごとに厳しい性格だ。何かに縛られることを心底嫌っている蓮華とは真逆でしっかりしている。

 両親に切り捨てられ、ムッと拗ねた顔をした蓮華は最後の頼みの綱である兄に視線を向ける。すべて両親の言う通りでわがままを言っているのは蓮華の方だと自覚しているが、兄ならば何とかしてくれるかもしれない。


 そう思って期待したのに、返ってきたのはいつも蓮華をかわいがる時と同じ笑顔だけだった。


「そうだなぁ……もしも今までの瑞家の女性とは違って、蓮華の式神が弱かったならこのしきたりも適用されなかったかもしれないね。でもそいつ、しっかり強いだろう?」

「指を差さないでください!」


 蓮華が縋りついているもふもふの愛しい式神、(そう)に『そいつ』などと言う兄を鋭く睨む。溺愛している妹が自分より式神を大切にしているからと言って嫉妬するのはやめてほしい。生まれた瞬間から共に過ごし、一心同体とも言える存在なのだから、いざという時に助けてくれない兄より大切にするのは当然のことだろう。霜だって困っているではないか。


 この世界では、すべての人間が自分と同時に生まれる『式神』という存在を使役している。式神は必ずひとつ能力を持っていて、それは使役者も同じように使うことができる。能力の種類や制限、式神の姿等は様々だが、母が言うように瑞家に生まれた女性は必ず強力な能力を持つ式神を使役していた。

 そんな蓮華の式神は白虎だ。艶々とした美しい白銀の毛並みに、主人である蓮華と同じ神秘的な金色の瞳を持つ。蓮華の体を余裕で覆える程度のサイズだが、主人に似たのか楽観的なところも多く見られる癒し系の式神である。


「蓮華、こればっかりは諦めろ。だがどうしても妃になりたくないのなら、皇后選定で貴妃の座を勝ち取れ。貴妃は『妃の中で』最も位が高い。皇后にはなれないが何でもひとつ、願いを叶えてもらえる。もし本当に貴妃になれたのならその時は後宮を出られるよう、私も口添えをしよう」


 蓮華は『瑞』という名を持つ一族でありそれも強力な式神を使役する女性。皇后選定前の時点では貴妃という身分を持つことになる、後宮内で最も権力のある存在だ。後宮の主である皇后ではなく、妃の中でトップの貴妃に選ばれろというのは難しい話だろう。それでも実現できたなら、蓮華が望む『自由』が守られているこの屋敷に帰ってくることも可能。皇帝も父の言葉を無下にはできないから。


 分かりました、と頭を下げて部屋に戻った蓮華は入内の準備のために慌ただしく働いている侍女達を横目に、『貴妃』の座を勝ち取るための作戦を練り始めた。

ご覧いただきありがとうございます!

よろしければ感想、レビュー、ブックマークや広告下の☆☆☆☆☆で評価していただけると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ