火山 プロローグ
自然豊かな山間部にある温泉村にクリエ、ミヨン、アニス、ウィルの四人が来ていた。
大きな火山を中心に、周辺に温泉村がいくつか点在している場所で、普段は様々な種族が観光客として温泉や饅頭、米から作ったお酒の米酒 (こめしゅ)など、独自の料理を楽しんでいる。
そんな温泉村の大きな宿にある露天風呂に、クリエとウィルは気持ち良さそうに湯舟に浸かっていた。
たまに吹く風が心地良く、目の前には壮大な火山がそびえている。
「良い湯ですね、クリエ様」
「そうだね。来てよかったね」
ほっこりとした表情で二人は言う。
その時、木の敷居を隔てた隣から女性の声が聞こえてきた。
「なんで混浴じゃないのよー。ウィルだけクリエと一緒とかズルい」
「確かに、どうせ客は私たちしかいないのにな。女将に次からは混浴にしてもらうように言うか」
アニスとミヨンの抗議の言葉が飛んでくる。
今この露天風呂はクリエたちの貸し切りになっていた。
それどころか温泉村には客自体が他にはおらず、普段住んでる村人もほとんどいない。
温泉の気持ち良さに眠りそうになるが、その時小さな地響きが温泉村全体に響く……。
クリエたちの目の前にある火山からは、たまに少しだけ白い煙を吐いていた。
そんな状況を見て、ウィルが残念な表情になる。
「しかし、本当に勿体ないですね」
「うん、でも自然の驚異はどうしようもないからね」
「まさか数日後には噴火して村が無くなるかもしれないとは……」
少し前からたまに起こる地響きと、火口から出ている白い煙は火山が噴火する兆候だった。
周りの美しい自然と雄大な火山を眺め、それが失われる光景を想像してウィルは溜息を吐く。
そして、今回の依頼は『火山の噴火を出来れば止めてほしい』という、なんとも無茶ぶりな依頼だった。




