護衛依頼
レイスとの初共同依頼!
それではどうぞ!
元気いっぱいの少女、もといレイスとパーティを組むことになった翌日、次の依頼である、積荷の護衛で山道を馬車で移動していた。
「ねー、エルトつまんなーい!誰も馬車襲ったりしないから暇だよー!」
そんな襲われる前提の依頼じゃ…いや、護衛だからそうなのか。
「まあまあ、昼休憩の時そこら辺のモンスターでも狩って来なよ。」
「むぅぅぅぅやだやだ!戦いたいー!」
この子戦闘狂か何かなの?
ガサガサ
「「!?」」
「レイス、聞こえたな?」
「ええ、出てきたところを叩くわよ。」
「いやっはー!」
いま世紀末だっけ…ってなに訳の分からん事を言ってるんだ俺は。えっと山賊が6人か。
「ウィンドカッ…はだめだな。殺しちまうか。」
「死ねぇ!」
キィン!
遅いし太刀筋がわかりやすい。簡単に受け止められる。
「エルト後ろ!」
ん?後ろ?あ。
「もらったぁ!」
ガァァァン!
「エルトぉぉぉぉぉ!」
レイスの悲鳴が聞こえる…刺されたのか俺は。刺された?全く痛みがない。一撃でやられたか?てか効果音ガァンて。
パリィン
「は!?こいつどうなってんだ!剣が折れたぞ!」
「あ。刺さらなかったんだ。」
「へ?え、エルト?生きてるの?なんで?」
「俺にもわからん。」
「こいつバケモンだ!やべぇぞ逃げろ!」
こらそこ、人を化け物呼ばわりするんじゃねぇ!
いやほんとに何で生きてんの?あ、恐らく防御強化のスキルか。強化しすぎじゃない?剣が折れるレベルて。
「心当たりがあるとすれば俺のスキルだろうな。防御強化スキル。」
「強化しすぎでしょ!何そのスキル!ずるい!」
うん。俺もそう思うよレイス。まあ、おかげで山賊逃げてったしね。
「結局戦えなかったじゃーん!」
「ごめんて、今から周りにいるやつでも狩って来ていいよー」
「エルト、ありがとう!じゃああたし行ってくる!」
荷物の確認もあるし、ちょっとくらいならいいよな。
「早めに戻ってこいよー!」
「分かってるよ!」
シュバッと木々の間を走り抜けていく。
「冒険者の方々今回はどうもありがとうございます。本当にお強いのですね!冒険者って剣が刺さらないのですか!」
「あはは…それはどうでしょうか…」
苦笑いを浮かべる俺に眩しすぎる笑顔で褒めてくれる商人の方。
「あの…申し訳ありませんが…そろそろ出発したいのですが…」
「あ、そうですよね。そろそろ戻らせますので。」
その後レイスが文句を言いまくったのは言うまでもない。
レイスは戦闘狂かなという疑惑が発生しましたw
次回は護衛終了後の街でのお話です。
次回お楽しみに!