草刈りしよう!
新キャラ登場回です。エルトの能力は日々進化します。それではどうぞ!
アイアンベアを討伐した俺はギルドでの報告を済ませた。
「エルトさーんちょっといいですか?」
ヒリンさんが近づいてくる。
「どうかしましたか?」
「お疲れのところ申し訳ないのですが…東の草原の草刈りをお願い出来ないでしょうか…あ、勿論報酬は弾みますよ!」
そう言ってぴんっと指を3本立てる。
「3枚もですか!?」
草刈りで銀貨3枚なら儲けもんだ。眠たいがやってみるか。
「はい!金貨3枚です!」
ん?金貨?金貨ぁ!?何故そんなに高額なんだ!?
「な、何故そんなにお高いのでしょうか?」
震えた声で尋ねる。
「それは…行ってみればわかる事です。まあ、受けるということでいいですね!?」
「え、あっ、はい。」
こうして草刈りを始めることになった。
ということで東の草原に来たけどよ?
「広い!広すぎるぞ!」
そう、とにかく広いのだ。住宅地を作れるレベルだ。しかもそこに高さ約2メートルの草が大量に生えている。
「そりゃ金貨3枚にもなるわ…」
しかぁし!少し前なら諦めていたであろうこの仕事も、今の俺にかかればすぐ終わる!何故って?ウィンドカッターがあるじゃないか〜
「ウィンドカッター!」
シュバババババッ!
前方の草がどんどん無くなっていく。が、50メートル飛ばせるけどそこまで大きくない。人2人分程の横幅しかないので繰り返さないと終わらない。
「…やる気が失せていくのは何故だろう。」
そんなことを言ってもしょうがない。とにかく刈ろう。
「ウィンドカッター!ウィンドカッター!ウィンドカッター!」
あ、この爽快感たまらねぇ…スパスパ草が切れていく。
「ピギャァ!」
「ん?何の声だ?」
『か…レ……連…に……た。』
なんだ?人でもいるのか?声のする方へ行ってみると、そこには足が切れてしまったウサギがいた。
「ヒートラビットだな。これって買い取って貰えるのか?あれ?てか人の声しなかったっけ?」
ギルドではモンスターの買い取りも行われている。状態が良いほど高値で売れるのだ。
「ならば!もっと集めればお金も入る!そして草も刈れる、一石二鳥だ!」
あれから2時間ほど刈り続けたが1匹もいなかった。それはもう逃げたのではないかと思うくらいに。
「ちぇっ、もういないのか。」
ガサガサと森の木々が揺れる。この草原は近くの森に隣接している。草刈りと狩りに夢中になって近づいたのだろう。
「そこか!ウィンドカッター!」
ズバァァァァァン!!
森が抉れた。えー、もう1周まわって反応出来ないよ。なんで急に威力が上がったんだ?そう思ってステータスを見ると…
・風魔法Lv6
風のカッターや刃を生成できる。射程距離50メートル。3つまで同時使用可能。攻撃力B。チャージ使用の場合攻撃力A
あー、そりゃあれだけ使えばレベルも上がるか…てことは俺は説明を聞き逃したのか?あ!ヒートラビットの時の声はこの説明か!夢中で全く聞いてなかったわ。とりあえず、獲物の所へ行こーっと。
「あわわわわわわわわわわわわわわわわっ!」
混乱してる女の子と倒れたオークがいた。
「大丈夫ですか?」
「えっ!?あっ!だ、大丈夫よ!これあなたがやったの!?」
「そうだけど…」
「名前なんて言うのっ!?高ランクの冒険者でしょ!?」
「そんないっぱい言われてもな…1個ずつだ。名前はエルト・ヴァルカン。ランクはCだ。」
「え!?あなた嘘は良くないわよ!Cなんて有り得ないでしょ…あの威力で…」
「いや本当だ。ほらギルドカード。」
ギルドカードとはギルドで貰う身分証だ。ギルドカードを少女に渡す。
「本当だわ…あっ!あなた今1人なのよね?なら私とパーティを組んで欲しいの!」
「いいけどさ、名前は?」
えっへんと胸を張って少女は言う。
「私はレイス・シュドイエルよ。よろしくね!エルト!」
元気な少女が仲間になった。
はい、ヒロイン登場ですね〜そろそろキャラ設定書こうかな。次回お楽しみに!